発声と姿勢

良い声は良い姿勢から!
と言われておりますので、今までネットで見た姿勢についてのお勧め記事などを紹介しつつ、姿勢に関する考察なんかを書いてみます。



とりあえず最初に軽くまとめておくと、発声に特に関わってくる要注意ポイントは、
・頭を前に出さない
・胸を張る
・腰を反らさない
の3点が挙げられます。



○姿勢の基本その1「頭を前に出さない」
頭が体の真上に無いと、重い頭を支えるために首の筋肉や背筋や肩の筋肉を使わなくてはならなくなり、発声時に余計な力が入ってしまったり、発声に必要な力が入れられなくなってしまいます。
肩こりも引き起こしますし。


あと、頭が体より前に出てしまい、その状態で前を見ようとすると、「あごを突き出した状態」になってしまいます。
ちょうど、今キーボードを打つ私はそんな感じでした。ちょっと姿勢を直さないと。
この体勢で良い声は出しづらいです。
大声なんて出そうものなら、声帯にかなりのダメージを与えてしまいます。
この体勢だと、先ほど言った筋肉の他、喉のまわりについている「ものを飲み込む時に働く筋肉」にまで力が入ってしまうんですよ。
そうなると、声帯の自由度は失われ、呼吸は阻害され、大変なことになります。


なので、とりあえず、頭の位置は普段よりかなり後ろに。


「首の後ろがまっすぐ、地面と垂直になるように」
とか、
「つむじに糸をつけられて、それを天から引っ張られているようなイメージ」
とか、
そんな感じで指導されることが多いです。


参考に、ニコニコ動画から1つ。
・【優しい養成所 発声レッスン】 正しい姿勢で発声しましょう
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○姿勢の基本その2「胸を張る」
胸を張る理由は、とりあえず2つあります。


1つは、上で書いた「頭を前に出さない」を実現するため。
背筋を伸ばして胸を張れば、自然と頭の位置は後ろに行きますね。


2つ目は、胸を張ることで、呼吸に良い影響が出るからです。
胸を張ると、肋骨が開く感じがしますね。
体の肋骨に囲まれた部分、これを胸郭と言いますが、ここが広がることで、肺が膨らむことができる容積が増えます。
なので、単純に肺活量が増します。


また、肋骨の開け閉め(肩の上下動も伴う)によって呼吸をすることを胸式呼吸と言いますが、これをすると喉が力んでしまいます。
胸を張り、胸郭を広げたままキープしておけば、胸式呼吸はできなくなり、自然と腹式呼吸ができるようになります。


あと、胸郭が広がることで共鳴体が広がり・・・なんて言う人もいますが、これについてはノーコメント。
発声についての「共鳴」の議論って、凄く実感が難しいというか、多分に疑似科学的な要素や経験則を含んでいるというか、とにかく、合唱歴6年程度の私には「確かなもの」は語れません。
ただ、オードリーの春日さんの声を聴けばわかるように、なんだか胸を張って声を出すと、「自信のある感じの声」に聞こえたりしますね。
(ただし、春日さんは下で書く「腰が反っている」姿勢なんで、そこは真似しちゃダメですけど。)
「なんだか声に自信がないように聞こえる・・・」とか、「声が全然届かない・・・」とか、「まわりの雑音に簡単にかき消される・・・」とかお悩みの方は、「春日っぽい感じ」で声を出すのを試してみるといいかもしれません。
ただし、肩の力は抜いて、手を自然に下ろすこと。


とりあえず、十分肩まわりをリラックスさせ、胸を張ってやれば、十分胸郭は開きます。
さらに胸郭を開いてみたいという人は、こんなのもありです。
・OCM式呼吸法(体操)
http://www.collegium.or.jp/~sagitta/ocm_homepage/html/kouza_backnumber/kbn46.html



○姿勢の基本その3「腰を反らさない」
普段猫背の人が背筋を伸ばして立とうとしたり、胸を張りすぎたりすると、腰が反った状態になってしまいがちです。
骨盤は前傾のままで肩を後ろに下げてしまうので、背骨の骨盤のすぐ上の部分が強く曲がってしまうんですね。
で、腰が反った状態や、お尻を後ろに突き出した状態になってしまいます。


その状態は単純に辛いですし(腰にすごく悪いですよ!)、発声的に言えば「良い腹式呼吸」ができなくなるので駄目です。
良い状態で腹式呼吸できているときは、腹の前面だけでは無く、脇腹や背中も膨らむような感覚があります。
このように横隔膜の下の部分がまんべんなく広がる感じだと、良い感じで横隔膜が働いているということです。
腰が反ってしまうと、背中が膨らまなくなり、いわゆる「深い呼吸」は不可能になります。


腰が反らないように、骨盤を「前にまわした」姿勢でいられるようにしましょう。
骨盤を「まわす」感覚が分からなければ、とりあえずまっすぐ立ってみて、つまさきを開いていきましょう。
骨盤が適切な確度になるはずです。
で、その時の骨盤と背骨の関係、主にお尻あたりの力の入り方なんかを記憶し、その状態を再現できるようにしましょう。


参考サイト→http://www.ilaboyou.jp/voicetraining/01.html#Anchor330919


他にも、片足立ちをして、上げた方の足の膝を胸の前で抱え、その骨盤の角度をキープしたまま上げた足を戻す、という方法もあります。



○最後に
とりあえず、この3点に気をつければ、「姿勢の悪さの弊害」の多くは避けられるでしょう。
ボイトレの観点から3つ気をつけるポイントを書きましたが、姿勢ってのは日常生活からどうにかしないとなかなか直らないもので、声を出すとき以外も意識しないといけないのかもしれませんね。


あと、良い姿勢を保とうとし過ぎて「固まって」しまうと逆効果ですからね。
「柔らかさ」とか、「ニュートラルさ」を、無くさないように気をつけて下さい。
誰が言ったかは忘れましたが、
「最高の姿勢とは、完全な脱力感と、全力で動いている時の躍動感と、その両方を感じさせるものだ」
という言葉が、私の「姿勢」に関する考え方の基本です。