あなたは居酒屋で店員を「一声」で呼べるか・・・声の「方向」と「距離感」

さて、今回はAll Aboutの「ビジネス実用」のボイストレーニング論から、読んでいて気になったものを紹介していきたいと思います。
ボイトレっていうのは、「ある歌を上手く歌えるようになる」とかそういう限定的な効果を追い求めるものではなく、「日常の声」を含めたあらゆる場面での声を育てるものだと思っているので、こういう「ビジネス」などの音楽から離れた観点からのボイトレ論は、非常に興味があります。



○あなたは居酒屋で店員を「一声」で呼べるか


「あなたの声はちゃんと届いていますか?」というタイトルの記事が、特に面白いなと思いました。
「声がなんだか届かない・・・」とか「まわりの雑音に埋もれる・・・」とか「話しかけてもなかなか気づいてもらえない・・・」とか、そういう悩みを持っている人は多いですよね。
その原因は「音量」や「声質」のせいにされがちですが、実はこの「声の距離と方向」を上手く使えていないからかもしれません。


・導入

日常生活の中で体感するボイストレーニングの効果として、「居酒屋で店員さんを呼ぶのが楽になった」というお話をよく聞きます。騒がしいお店の中で、他の人が何度呼んでも気づかないのに、その人が店員さんに向かって一言「お願いしまーす!」と呼ぶと、すぐに来てくれる。これは、周りの人からするとちょっとした驚きになるようです。
http://allabout.co.jp/gs/voicetraining/closeup/CU20070611A/

・声の距離と方向の重要性

たった1回呼んだだけで騒がしい店内なのに、店員さんが来てくれたのは、図3のように、声の距離と方向が店員さんに向かってぴったり合ったから。もちろん形として目で声を見ることは出来ませんが、このように声には「距離」と「方向」があるのです。

人はいつも、自分の周りに存在している他人の声の「距離」と「方向」を無意識に感じて生活しています。自分に向かって言われているな、と相手の声に反応するのは、この「距離」と「方向」がぴったりと合っているときです。逆に言うと、確実に相手に声を届けたい場合、声の「距離」と「方向」を相手に合わせればいいのです。
http://allabout.co.jp/gs/voicetraining/closeup/CU20070611A/index2.htm

・声の距離と方向を自由に操るためのポイント

ポイント1:声をビジュアル化する
ポイント2:人の声の「距離」と「方向」に注目してみる
ポイント3:「距離」と「方向」を意識して声を出してみる
http://allabout.co.jp/gs/voicetraining/closeup/CU20070611A/index3.htm

○この3つのポイントは、どんな場面でも重要なもの

人はいつも、自分の周りに存在している他人の声の「距離」と「方向」を無意識に感じて生活しています。

ということですが、本当にそうですね。


人間は、声を出した人の「目標」が「自分では無い」と感じてしまうと、とたんにその声の内容が聞き取れなくなったりしてしまいます。
その逆も然り(←例えば、カクテルパーティー効果など)。


なので、「あなたに向かって声を出していますよ」と相手に感じさせることは、「声」によるコミュニケーションの前提であると言えます。
それを実現するために、声の距離と方向を自由に操り、「狙ったところに声を飛ばせるように」なる必要があります。


日常会話でも、これは大事。
「相手のいる所」にしっかり声を飛ばさないと、相手はあなたの声をあまり真剣に聞くことができず、無意識に聞き流されたりします。
これは相手があなたのことを大事に思っていないわけではなく、人の性質的にしょうがないことなのです。
この状態だと、非常に効率の悪いコミュニケーションをしなくてはならなくなります。


演説とかの「みんなに話す場合」でも、大事。
例えば、熟練の学校の先生なんかは、喋る内容に応じて巧みに声の「焦点」を変え、子ども達全員の注意を引き、飽きさせずに授業をします。
逆に、声の焦点が子どもに届いてなかったり、特定の場所に集まっていたりすると・・・「私に喋ってるわけではないんだな」と無意識に判断した子ども達は、どんどん先生の声が聞こえなくなり、そして夢の世界へ・・・なんてことが実際起こります。


あと、「音量は十二分にあるのに声の方向と距離感のコントロールが下手」という人もたまにいますが・・・これって最悪のパターンですよね。
効率が悪いのに音量ばかり大きいので、聞く方も話す方もストレスばかり溜まってしまいます。
これはもはや「音の暴力」です。



○歌だってそうだよ


歌を歌うときも、声の方向と距離感には気をつけなければなりません。
オフマイクだと「会場の奥の奥まで響かせなきゃ!」となってしまったり、
オンマイクだと「マイクに綺麗に声が入るように!」となってしまったり、
(もちろんそれも大切なことなんですが・・・)
そういうことばかり気にしてしまい、声の距離と方向を無くしてしまうと、とたんに説得力の無い歌になってしまいます。



○キャッチボールを繰り返さないと、力加減はわからない


声の距離感と方向を自由に操るためのポイントが上記の3つですが、最初はなかなか難しいと思うんですよね。


でも、相手に声という「ボール」をしっかり届けられるようになるには、
「その声がどういう放物線を描いて相手に届くのかをイメージ」
して、そのイメージに近づけるように声の「投げ方」を何度も練習するしかないのかな、と思います。
(もちろん声は放物線を描いて飛んでいったりしません・・・物理学的に。あくまでイメージ。)


これはキャッチボールと同じ。
どんな達人に「コツ」を聞いたところで、実際に投げてみないと、力加減がわかるわけがありませんね。
その時に、何となく投げずに、「ボールの軌跡をしっかりイメージ」することが重要なんです。

実際に「声の軌跡をイメージして出す」というのを繰り返すと、
「あ、今のは全然届いてないな・・・」
「ちょっと勢い良すぎというか、暴投気味だったかな?」
という感じが徐々に感じられるようになり、そのうち声の方向と距離感を自由に操れるようになるはずです!


まずは、ありきたりな話だけど、「話すときは相手をしっかり見る」ということが全てのスタートかな?