大勢の前で声を出す場面での緊張を克服するための、ブレス・ボイストレーニング


最近ちょっと「声質の改善」系が多かったので、今回はちょっと「ライフハック」的な感じの記事も。


大勢の前で喋ったり、スピーチしたり、知らない人に話しかけたり…
緊張しながら声を出そうとすると、なんだか「息苦しく」なってしまって、思うように声を出すことができなくなったりしますよね?
今日は、そんな困った状態を解消する方法を紹介します。


まあ、スピーチでも歌でも、なんでもそうなんですが…
とにかく「息を吐く」ことが重要です!



○緊張すると、息を吐ききることができなくなる


緊張すると、なんだか息苦しくなってしまいますよね…。
「息苦しい」「浅い呼吸になってしまう」のは「息が吸えないから」と思ってしまいがちですが、実は逆。
緊張すると、「息を吐ききることができなくなってしまう」場合が非常に多いんです。


緊張している状態というのはつまり、「本能的に危険に備えている」状態ですよね。
すぐにでも息を止めて無酸素運動(無呼吸運動)ができるように、肺にある程度の空気を溜め込もうとするため、呼吸のバランスが「呼<吸」となってしまいます。
身体の内部について考えてみますと、緊張時には交感神経が副交感神経より優位な状態になりますね。
交感神経は吸うこと、副交感神経は吐くことに関わっているため、交感神経優位の状態では、必要以上に息を吸ってしまいやすいです。


また、腹筋背筋などの呼吸に関わる筋肉も緊張してしまうため、呼吸を意識的にコントロールすることが非常に難しくなります。



○息を吸いすぎると、上胸部が固まってしまい、逆に息が短くなる


以上のような原因で、緊張すると「息を吸いすぎ」てしまいやすい状態になってしまいます。
また、息苦しさを解消するために「大きく吸って深呼吸」「喋る前に大きく息を吸って準備」などをしてしまう人も非常に多いのですが…
息を吸いすぎてしまうと、上胸部の筋肉が固まってしまい、呼吸・発声に悪い影響を与えてしまいます。


良い姿勢なら、十分胸部の容積は確保できているはずなので、自然に吸うことができる分以上に息を吸い込む必要はありません。
逆に、それ以上に肺を膨らませると、身体に負荷がかかってしまいます。
肋骨まわりの筋肉が力んでしまうため、スムーズな呼吸が阻害され、逆に息が短くなります。


また、上胸部の筋肉が力むと、声帯周りの筋肉も連携して力んでしまいます。
こうなると声帯を良い状態で振動させることができなくなり、声を出すのに必要な息の量が増えてしまいます。
それによってさらに息苦しくなってしまいます。


なので、呼吸を整えようとした場合、「思い切り吸う」のは多くの場合逆効果になってしまうので注意!
スピーチや歌などで、人前のような緊張してしまう場面で声を出す時には、このことを覚えておくべきです。



○息を吐ききるためのエクササイズ


・時間がある場合→エリック式ブレス


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以前紹介したエリック兄さんのボイトレ講座のトレーニングから、ブレス関係のエクササイズを抜粋。
これは、本来誰でもできるはずの「自然な呼吸」ができるようになるために、非常に効果的な方法です。



ただし、人前でこれをやると不審人物ですので…(笑)


・声を出す直前→吐ききること、息を搾り出すことを特に意識して、深呼吸。吐いたら吐いた分だけ息が入ってくる感じも意識する。

という方法はいかがでしょうか。
あとは、「ちょっとした間」を見つけ、そこでゆっくり一呼吸(力を入れて吐ききって、力を抜いて吸う)すると、それだけで全然違いますよ。


他にも、こっそり「ため息」をついてみるとか。
失礼なので、見つからないようにする必要はありますけどね(笑)。
緊張のピーク時に「ため息」なんてつけませんよね?
それをあえてすることで、呼吸を「平常の状態」に戻せるかもしれません。



○呼吸をコントロールできれば、緊張もコントロールできる!(かも)


精神状態と呼吸は、非常に密接に関係しています。
精神状態が呼吸に影響を及ぼすだけでなく、逆に呼吸が精神状態に影響するということあるのです。


例えば、先に少しだけ書いた「交感神経/副交感神経」の話だと、交感神経優位な中でも呼吸をコントロールし、息をゆっくり吐き続けることで…
ある程度なら副交感神経の働きを強め、緊張を和らげることができるそうです。


最後にジョジョの奇妙な冒険から名言を引用すれば…

呼吸をみだすのは「恐怖」! だが「恐怖」を支配した時! 呼吸は規則正しくみだれないッ! 波紋法の呼吸は「勇気」の産物!! 人間賛歌は「勇気」の賛歌ッ!! 人間のすばらしさは勇気のすばらしさ!!

と、いうわけで、練習あるのみッ!!