「相手」の声をよく聞いて、それに合わせた声を出しましょう


Allaboutの以下の記事がはてブで話題になった模様なので、今日はそれについて書きます。
・上手な話し方の基本‐Allabout
http://allabout.co.jp/career/speechskill/closeup/CU20090706A/


ちなみにAllaboutのいつも紹介していたボイトレコーナー(http://allabout.co.jp/gs/voicetraining/)は現在休止中らしいです。
いつも参考にしていただけあって残念…。


さて、この記事ですが、
1.「話す」ってどういうこと?
2.自分が「言いたい」ことを知る
3.声を出して自分の「いい声」を見つける
4.話す「相手の存在」を意識する
5.相手の話を「聞いて」話す
という構成です。


3、4、5あたりは、「コミュニケーションのためのボイストレーニングというものを考える上でとても大事だな、と思いました。
で、今日は、その中でも特に4と5の内容に関わる内容を紹介していきたいと思います。



○声のミラーリング


みなさんは、「ミラーリング」という言葉をご存知でしょうか。
ちゃんとした心理学用語ではないそうですが、コミュニケーションや心理学ネタやナンパテクニックを扱っている新書とか文庫とかではかなり頻出する言葉です。


では、その「ミラーリング」とはどういうものかというと…
「相手の行動や仕草をさりげなくまねること、相手の行動や仕草を鏡のように返すこと」
という行動で、これによって無意識に、相手に親近感や一体感、安心感を与えることができる、というものです。


この「ミラーリング」を、声で実践することによって、コミュニケーションが円滑になるかもしれません。
つまり…相手の声を真似るのです。


わかりやすい部分では、
・声の大きさ
・声の高さ
・話すスピード
・間の取り方


ある程度ボイトレしないと実感しづらい部分としては、
・息の混ぜ方、声立ての強さ
・声の響かせ方
・声の方向と距離、声の焦点
・発声に関わる筋肉の動き


など、色々な要素がありますが、
「それらを相手の声に合わせること」
によって、ミラーリングの効果が生じ、相手に親近感や一体感、安心感を与え、円滑なコミュニケーションができるかもしれません。


また、紹介した記事には、

相手によって、わかりやすい(伝わりやすい)言葉、話すテンポ、例え話(比喩)が違います。日々、話している相手を意識すると相手に合わせた話し方が出来るようになります。相手の生活環境を考えてみると、どんな言葉で話すと一番伝わりやすいかが見つかります。

とありますが、だいたいの場合(相手がよっぽど独特な声や感性の持ち主でない限り)、「相手のしゃべり方」の通りに話すのが「もっとも伝わりやすい話し方」なんですね。
例えば、ハキハキと喋る知的な人に、まったりした話し方で話しかけると「鈍い人」という感想を持たれかねませんし、逆に舌足らずなギャル語で喋るお嬢さんや、浜言葉で喋るおじさんに綺麗な標準語でハキハキと話しかけても、たぶんあまり良い印象は持たれず、むしろ「あなたと私は仲間では無い」という不信感を与えてしまうでしょうね。
そういった「信頼感」や「共感」を失った状態で話しても、話の内容は全然伝わりません。


相手の声を良く聞き、その感じを真似て話すためには、
・相手の声をしっかりと聞くこと
・TPOを考え、感じて、それに応じた声を出すこと
も重要ですし、
ボイストレーニングを勉強して、「声」について敏感になること
も必要ですね。
声の大きさやトーン、リズムなどの要素を相手と合わせるのはそんなに難しくありませんが、ある程度声に関心を持ち、訓練しないと気づけない、気づけてもこちらが合わせられない、という要素も少なくは無いです。
それらの要素も相手に合わせることができれば、より深く相手に働きかける声になります。



ミラーリングの注意点


1.さりげなく

ミラーリングは、相手に「バレる」と、途端に「不審者リスト行き決定」です(笑)。
あくまで「さりげなく」行いましょう。


2.「悪い特徴」「嫌な感情」はあまり真似ない


相手の声を真似ることで「悪声」になってしまっては元も子もありません。
相手に合わせつつも、自分なりの「良い声」を維持できるよう気をつける必要がありますね。


また、怒りや不快感などの「マイナスの感情」を感じさせる声ってあると思いますが、それは真似しない方がいいときもあります。
まあ、そういうマイナスの感情に共感を示したいときには「ミラーリング」がとても効果的なのですが…


最悪、悪い感情が声を介してループし、際限なく強まり、いわば音響用語「ハウリング」の感情バージョンが起こります。
無限ループを止めたければ、「優しさ」や「落ち着き」を感じさせる、よく胸に共鳴させた声などを出すのが効果的かと。



関連エントリ
・声の影響力…声は「伝染」します。‐烏は歌う
http://d.hatena.ne.jp/wander1985/20090727/1248700633