図解「良い発声のできる口の開け方」…その1


今回と次回は、相変わらず下手くそな図を使いつつ、「良い発声のできる口の開け方」というものを考えていきたいと思います。
慣れない「ペイント」による作品なので、本当貧相な図です(笑)。
まー、自分の口元をデジカメで撮ってアップするのも検討しましたが、試しにやってみたところあまりに気持ち悪かったもので、図で我慢してください。



○口の開け方は「2系統」


「口を開ける」という言葉には、2つの系統の動作が含まれています。
それは、
1.「顎」を開く
2.「唇」を開く
(3.「喉」を開く、を加えて3系統にもとれるのだけれど、今日は省略。)
という2つです。


で、漠然と「正しい口の開き方」みたいなのを簡単に書いているようなものでは、この2系統が混ざってたりどちらかが欠けていたりして、あんまり使えないものも多いわけです。
気をつけてください。



○「顎」の動きを図でつかむ


で、今日は、「顎」の方について絞って書きたいと思います。
「唇」についてはまた後日。


「上顎(頭蓋骨の一部分)」と「下顎(頭蓋骨から独立したもの)」と「顎関節」というものが、どう関係し、どういうふうに「口の開け閉め」を行っているのか、考えたことはありますか?


多くの人が誤解しているのが、下の図のような感じ。
上下の黒線が上顎・下顎、赤い丸が顎関節とすると…


顎関節を支点、というか蝶番のように顎が開くイメージを持っている人って多いかもしれませんが、実は、こうじゃないんですね。


過去にも書きましたが、下顎の動きというのは、実際はとても複雑な動きなんです。
まず、手で触ってみると思いますが、下顎の骨ってL字型をしています。



そのL字型の下顎が「真下にスライド」することによって、「口が開く」のです。
これが言うなれば「第一段階」。



その状態からさらに開こうと思うと、下がり切った下顎が顎関節を支点に、「回転運動」をして、さらに大きく口を開くこともできます。
これが「第二段階」。



○大切なのは、「しっかり下顎を下ろす」ことと「無理をしないこと」


さて、「顎の動き」というものをイメージしていただいたところで、「良い発声のできる口の開け方」というテーマに戻りますと。


まず、最初の間違ったイメージに基づいて、「下顎を『真下にスライド』しきっていないのに『回転運動』をしてしまった口の開け方」について見てみますと…


とりあえず、これはダメです。
その理由を説明しますと、
1.口内の容積が小さい
→前側しか空間が空かないので、十分共鳴させることができず、音量も出なければ声質もいまいちになります。
2.顎関節に負担がかかる
→本来顎関節が「回転運動」をするべき場所ではないので、動きが非常に窮屈になってしまい、顎関節に無理な力がかかってしまいます。


なので、顎をしっかり「真下にスライド」させることが大切ですね。

こうすれば、口内の容積も広がりますし、顎関節に負担をかけずに大きく口を開くことができますし、良いことずくめです。


「真下にスライド」させた上で「回転運動」というのは…


顎関節にはそれほど負荷はかからないのですが、これは本来「大きなものを丸呑みするときの動き」であるらしく、発声に関わりのない(発声時に力が入ると不都合な)筋肉がとても力みやすい状態なんです。
なので、あんまり発声には向いていません。
いわゆる「口が開きすぎ」「力みすぎ」な状態と言えますね。


結論を言うと、
下顎を「真下にスライド」させただけの状態
が、発声にとってはベストかと思います。



○顎の正しい開き方をマスターするには


とりあえず
1.顎の動きを正しく把握し、下顎を「真下にスライド」するイメージを持つ
2.図をイメージしたり、下顎全体や耳の下辺り(下顎のL字の短辺)を触ったりしながら口を開け閉めして、イメージと感覚を一致させる
(特に、「真下にスライド」から「回転運動」に移る感覚は、頑張ってつかんでみて下さい)
3.奥歯に何かを挟んで、上下の奥歯が大きく離れた状態(下顎が「真下にスライド」した状態)で声を出すとどんな感覚か確かめる
などのトレーニングがありますね。
ボイストレーニングというか、半分はお勉強ですが。


3については、声を良くするために色々とお得なボイトレなので、後日改めて紹介したいと思います。