ハスキーボイスについて考える〜その2「ハスキーボイスを治したい人向け」

さて、前回の続きです。
今回は「ハスキーボイスを治したい人向け」と題して、
・もっとクリアな声が出したい!
・ハスキーボイスのせいで、声の効率が悪い気がする…
・かすれ声だと、喉にダメージが溜まりそうで…
というようなお悩みの解消に役立てたらなー、と思ってます。



○今日の本題。


さて、「ハスキーボイスになる原因」を改めて紹介しますと、

1.声帯の形質や状態のせいで、声帯が閉じたときに隙間が生じる
2.息の強さに対して声帯が締まる力が弱く、声帯が閉じきらない
3.声帯まわりの筋肉に変な力が入っているせいで、きれいに声帯が閉じない

の3つでしたね。


3つともに共通する解消法は、
・声帯のウォーミングアップをしっかりすること
です。
例えば寝起きとかって、普段ハスキーボイスじゃない人でもガラガラ声になったりしますよね?
声帯の準備が整っていなければハスキーボイスになってしまいやすいです。
また、そのような声を出す癖がついてしまうと、声帯の準備が整ってからもハスキーボイスが出続けてしまいます。
それを防ぐために、声を出す前や、「ちょっと声がかすれてきたな…」と思ったら、声帯の状態を整えるためのボイトレをやってみるのもいいでしょう。


参考・声の「準備運動」…声帯を「起こす」ための簡単ボイトレ
http://d.hatena.ne.jp/wander1985/20090927/1254025866


また、
・ハミング、リップロールなどの声の出し方をすることで、適切な力で声帯が閉じている感覚を身につける
というのも効きます。
こういう声の出し方をすると、過剰な息の流れを唇で受け止めることができるので、「適切な息の勢いと声帯の閉じ具合のバランス」を身体に覚え込ませる手助けになります。
楽な感じでハミング、リップロールをしたときより、声帯を強く締めつけていたり、逆に空気が漏れるような感覚があれば、それはちょっと声帯が適切な力の入り具合・閉じ具合になっていないということになります。
かなり微妙な感覚ですが、喉の準備運動としても有用なエクササイズなので、気長に試してみてください。


参考・エリック兄さんのボイストレーニング
http://d.hatena.ne.jp/wander1985/20090226/1235664590


原因1についてですが、前回も書いたように、しっかりコンディションを整えても声帯の形状(ポリープとか、いわゆる「潰れた喉」だとか)のせいで声帯がきれいに閉じない…というのはトレーニングでは治りません。
ただ、上に紹介したようなボイストレーニングをすることで、多少の「改善」は見られると思われます。


原因2を解消するトレーニングとしては、
・喉を「上下に」開くトレーニン

このような場合、「軟口蓋を引き上げ、喉仏を引き下げる」必要があります。
「軟口蓋を上げる」というのは、慣れない間は感覚がつかみにくいと思いますが、喉の状態を「あくびの時の喉の状態」「ゲロを吐く直前の状態」にして声を出し、軟口蓋が上がった状態というものを身体に覚え込ませるといいです。
喉仏も慣れると動かせるようになりますので、「低い声を出す」「BoとかDumと発音してみる」などして、喉仏を意識的に下げられるようにしましょう。
あとは、「左右の奥歯で何かを噛む」と喉が上下に開きますので、割り箸とかを奥歯で噛みながら声を出す、という練習も有名ですね。


原因3を解消するためのトレーニングとしては、
・喉、そして周辺の筋肉の力を抜くためのトレーニン

力んでしまう理由は様々だと思うので、力みを抜く練習をすると同時に、何故力んでしまうのか?ということも考えるといいかもしれません。


首の力みをとるためには、首を左右に軽く振りながら声を出す練習などがあります。


また、声を出す前に念入りにストレッチをするとか。


表情については、眉間にしわが寄ったり、口角が下がって口の形が△になると、とても喉が力んで固まってしまいやすいので注意が必要です。


http://d.hatena.ne.jp/wander1985/20090818/1250526924

などが有効です。
あとは、基本的なところ、例えば「姿勢に気をつける」とか。


それと、原因3のタイプの声を出す人は、

「声帯がきつく締まっているのでもっと強いブレスが必要→強いブレスに耐えるために声帯をもっと締めなければいけない→以下ループ」
という軽い無間地獄状態

になってしまっている場合も多いので、「もっとソフトな声をイメージして出す」とか「あえて息混じりの弱めの声を出してみる(声帯の閉じを意図的に弱めてみる)」とか「息の勢いを意図的に弱めてみる」とか、そういった意識改革が効く場合もあります。



○最後に一言


このエントリを書く発端となったコメントの返信に書いたんですが、より一般化するために一部改変して引用すると…

「かすれちゃいけない!と思って力んでしまった声」と「多少息が混ざっても良いかー、とリラックスした声」では、よっぽどかすれがひどくない場合は後者のほうが良く響き、良い声となります。
多少かすれのノイズが鳴っていても、しっかり身体に響かせればノイズ以外の音(本来出したい音)が強まりますから。

なので、かすれ声を無くす!という意識よりも、「声をよく響かせて、かすれを隠してしまう」という意識を持つといいのかなー、と思います。

思い悩むより伸び伸びとやるほうが良い声でるよ、と無責任なことを、たまには言ってみる。
声のノイズはある程度は「治るもの/治すべきもの」ですが、ある程度以上は「治しようのないもの」であり、「個性」であり、「ギフト」であり、「今までどう生きてきたかを示すもの」です。


ノイズの無い声は、要するに個性の無い声。
まあ、治せる分は治した方がいいですが、治せない部分は「個性」として、
「その声質をどうやったら活かせるか!?」
を考えていくことも、とても大切なことです。