徳永英明に「歌心」を学ぶ!

さてさて、今回は前々から紹介したいと思いながら放置していた2点、
・「歌の上手さ」って何だろう?
徳永英明って歌上手いよねー、あの歌い方の秘密って?
という2点をくっつけたエントリです。



○「歌の上手さ」とは?


そもそも、どうだったら「歌が上手い」と言えるのか、というのが難しい問題ですよね。
「音程の正確さ」やら「リズムの正確さ」やら、そういったものがあれば「上手い」と言えるのかもしれませんが、かといってそれだけが「歌の上手さの要件なのか?」と言われたら違うような気もしますし。
「良い声である」「しっかり声が出せる」ってのも条件な気もするけど、色んな歌い手・歌い方が存在する中で「良い声」「しっかりした声」の定義なんてできるのか、という話にもなりますし。
「味がある」とか「歌心がある」というのも、「歌が上手い」と言われる人が持っている要素な気がしますが、「それって具体的に何なの?」と言われても、答えるのは凄く難しい…。


と、考えていたところ、こんな記事を見つけて、すごく納得したのです。


日本語のうたの声と言葉-6 - 藤井丈司さんのMySpaceブログ|

僕は、宇多田ヒカルというアーティストが、唄以外の歌詞や音の作り方も含めて、すごく好きなんですけど、
彼女が自分のブログで、唄い方について書いた文章があるので、それもちょっと長くなっちゃうけど、ここで引用してみたいです。
とても懇切丁寧に、唄はどうやって唄ったら上手くなるのかを、実に科学的に語っています。


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「友達とカラオケなんか行くとよく「どうやったらうまく歌えるの?」なんて聞かれるんだけど・・・(私も知りてーよ)。
簡単に言うと音符一つ一つの、入り方、のばし方、終わらし方、だよね?
フィギュアスケートのジャンプでいうところの、ステップからの踏み切り、回転、着地、みたいなもんか?


ほんとに可能性は無限大で、「あ〜♪」ひとつとっても、入り方だけでもちょーオプションありまくりで、
音程きっちりで入るか、ちょっと上から落ちるように登場するか、低めの音から上がるように入ってくか。
声の音量は全開でいくかのどに引っ掛けながら艶っぽく入るか小さめか。
その後はヴィブラートかけるかかけないか、音量に大きな波をつけてみるか。
息の量を増やして明るく開放的にするか制限して沈んだ声にするか。
最後はフェードアウトするかぷつっときるか、どこまでのばすか、クセを出すために終わった後に口と息でなんか音をつけたすか。
などなど!言い出したらキリがないか!


そういうの全てが、マイケルジャクソンって完璧・・・。最高の選択をしてるし、うますぎ。
(´ロ`)オ〜 マイコー


ちなみに、ギターとかベースもこういう風に聴くと、うまい人と下手な人の差がはっきり分かるよ。
グルーブ感があってノリが心地いい人は、特に終わり方がうまいはず。のばすとこはきれいにのばす、切るとこはすぱっと切る!
しかも「ああ、そこで切るんだ!」ってとこで。(R&Bとかソウルの良い歌手は異常なほどこれがうまいっ!)


うまく歌うコツ?になるかどうかわかんないけど、音一つずつでそこまではちょっと無理・・・と思う人も、
とりあえずフレーズの終わり方だけでも意識してみるとちょっとうまく聞こえるんじゃないかな。


わたしもがんばろ・・・
歌下手すぎて自分を殴りたくなる時あるっすよ(つДT)
"Beat It"かっこよすぎっすよ(つДT)ぐおっ うっ うっ そもそもギターで失神寸前
(´ ▽`).。o なんじゃこりゃ・・・あほか・・・」


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…なるほど!
とてもわかりやすいというか、そこまで理解して言語化できるって宇多田さんはやっぱり凄いなあ、とか思います。



徳永英明に「歌心」を学ぶ!


この記事を読んでいて私が思い浮かべた歌い手が、徳永英明さんなんですね。


この話、すごくあやふやな記憶で、私の記憶違いかもしれませんが…
過去に「うたばん」に徳永さんが出たときに、中居正広さんにちょっとした歌の指導をやった記憶があるんです。
そのときの徳永さんの教えが、「絶対に力を入れないで」「大きな音量を出したり、長く伸ばそうとしたりせずに」「短いフレーズを吐き捨てるように歌え」というものだった気がするんです。
…言ってた、気がするんだけど、どれだけ検索しても資料が出てこないー。

※追記(2011/01/20)
なんと、Twitterで教えていただきました!
まりもの気分〜時々中居くん〜: 20年眠った原石発見
教えてくれた人、本当にありがとうございました!


「吐き捨てる」って表現が衝撃的だった記憶があります。
これって要するに、「着地」の仕方の話ですよね。
意味を考えてみますと、
「着地で変に粘ったり格好付けたりしようとせずに、自然に着地しなさい」
「出した声を『持ち続けよう』としたり『止めよう』としたりしないで、『捨てて』しまいなさい」
ということなのかなー、と思ってます。


徳永さんの歌、特に「VOCALIST」シリーズを実際に聴いてみると、その意味がわかりやすいんじゃないかと思います。




私たち素人はどうしても「大音量で太くて張りのある声」だとか「ビブラート全開で輝かしいロングトーン」だとかばっかりを目指してしまいがちですが、そればっかりじゃないんだぞ、ということに気づかされますね。
徳永さんの場合、見せ場以外ではあえて声は張らないし、割と頻繁に切って、絶対に無駄に伸ばさない。
そして本当に「切り方」「フレーズの終わらせ方」が上手いです。


過去に「間の大切さ」について書きましたが、適度な間を空けることによって、余韻を持たせたり、その間の時間に聞き手に色々想像させたり…というができます。
それがあるからこそ、この歌を聞いたとき、感動や何とも言えない優しさがわき起こってくるのでしょう。
また、ロングトーンを多用しないからこそ、たまに出てくるロングトーンでのカタルシスが凄いことになるわけです。
「徹底した焦らしプレイ」とでも言えばいいんでしょうか…超エロい(いい意味で)。
もしくは「ギャップ萌え」?


それと、聞いてて「すごいなあ」と思うのが、これだけ短く区切られているのに、歌として聞いてみると「雑な感じ」というか「ブツ切り感」がないこと。
途中で何度も「音」自体は途切れているはずなのに、しっかり「フレーズ」になっているんですよね。
歌の「フレージング」というのは非常に難しいものでして、徳永さんのように「途中で何度も音が途切れても一つのフレーズとして聞こえる」場合もあるし、逆に「音は一切途切れてないんだけど、なんか一つのフレーズとして聞こえない」という場合も…。
フレーズ内やフレーズ間の繋ぎでの、余韻の残し方、息の吸い方・出し方・止め方・残し方、意識の持ち方、テンションの保ち方・変化のさせ方、表情や身体の使い方…というような様々な要素が絡んでいてとても難しいのですが、研究してみる価値はあると思います。


…まとめますと、徳永さんの歌い方は本当に参考になる部分が多いので、そういう「区切り方」や「フレーズの終わらせ方」だとか、そういった部分を真似てみるのも歌唱力アップに役立つかもしれません。