記憶の定着は、学習より少し後に起こる…「レミニセンス現象」


レーニング時に覚えておきたい心理学用語、その2
前回に引き続きライフハック心理学。



○「レミニセンス現象」とは?


例えば…
・昨日まではうろ覚えだったのに、今日は何故かスラスラ思い出せる
・何回挑戦してもできなかったことが、次の日に何となくやってみたら楽勝でできた
・ずっとずっと悩んでいたことが、寝て起きたら何故かあっさり解決した
・「完璧だ!」と思えるくらいに徹夜一夜漬けをするより、「まあこんなもんかな…」という時点で早く寝てしまった方が次の日のテストの成績が良い
こんなこと、よくありませんかね?


「記憶」というのは普通、時間とともに薄れていくものだと思われています。
しかし、「記憶直後」と「記憶から一定時間経過後」では、後者の方がよく記憶を想起できる場合があります。
このような現象を、「レミニセンス現象」と言います。


レミニセンス現象が何故起こるか簡単に説明すると…
一定時間の経過によって(特に睡眠や休憩によって)、
→「集中力の低下」や「飽き」など、記憶の想起を邪魔する要素が減ってくる
→脳内で記憶が「整理」され、記憶を想起しやすい状態になる
という感じです。


「一定時間」というのは、数分程度から数日単位まであるらしい。
(詳しくは「バラード=ウィリアムズ現象」「ワード=ホヴランド現象」で検索。)


そしてこのレミニセンス現象は、「記憶」という言葉から連想される「暗記学習」とかだけでなく、運動記憶や視聴覚などの感覚の記憶についても起こることが知られています。
つまり…運動のトレーニングや音楽のトレーニングなど、あらゆるトレーニングでレミニセンス現象は起こりうるわけです。
もちろん、ボイストレーニングでも。



○休憩が重要です


このレミニセンス現象を踏まえると、


・反復練習をさせると、「成果」と同時に「抑制効果」も溜まってくる
→繰り返すほどにどんどん成績は落ちてくるので、休憩が必要!


・練習内容を叩き込んだら、それを消化し、整理する時間が必要
→ある程度叩き込んだら時間を置かないとそれ以上成績は上がらないので、休憩が必要!


・練習による成長や記憶の定着が実感できるまでには、少々のタイムラグが生じる
→無闇に詰め込むより、時間を置いて様子を見ながら練習するのが効率的
→しっかり必要な分だけこなしておけば、そのうち急にできるようになってるから安心して!


…と、いうことになります。


どうも日本人の国民性として、
・反復練習大好き!休憩とか時間の無駄!やった分だけ伸びる!だから反復!
・反復練習中に成績が落ちてきたら、それは根性が足りない!さらなる反復が必要!
・できない…怖い…もっともっと練習しないと…できるまで反復練習して確実に身につけないと…
みたいなメンタリティーやそれに基づくオーバーワークが問題視されたりしますが、勉強にせよトレーニングにせよ現代の常識では
「ある程度練習したら、きっちり休憩することが絶対の義務」
ですので、そういう意識を持ちましょう。


たまに存在する「休憩は甘え!」とか言って真っ当な練習計画が立てられない・練習者の状況を把握できない人の方がよっぽど甘ちゃんです。



○関連エントリ


「闇雲な練習」について考えた。−烏は歌う