声と環境について、その2。


さて、前回に引き続き声を出す場所・環境によって全然「響き」って違うよねー、という話。
前回↓
声と環境について、その1。 - 烏は歌う


今回は、「例えば同じ部屋でも、ほんのちょっとの気遣いで声の響き方は全然ちがうよ!」というお話。



○「教室で話す」というシュチュエーションを例に出すと…


例えば、教室。
教室のどこにいても同じ響きになるか…と言えば、ほんの少し違うわけですね。


教壇の上に乗るか、乗らないか…
窓側に立つか、廊下側に立つか…
教室の中心近くに立つか、壁際に立つか…


「立ち位置」による響きへの影響は、ほとんどの場合「ほんの少しの違い」ですが、前回書いた「自分への響きのフィードバック」はちょっとの違いでも結構大きく感じてしまう場合もあります。
また、学校の先生のように長時間声を出さなきゃいけないような状態だと「ちょっとの無理」が積み重なって大きなダメージになってしまうこともありますしね…。


また、一口に教室と言っても、色々な環境が考えられますね。


机の配置はどうなっているか…
窓やドアは開いているか閉じているか…
生徒は立っているか座っているか…
掲示物は多いか少ないか…
ロッカーや棚や机の上などは整頓されているか…


例に例を重ねて申し訳ないのですが、例えば「引越しのためにものを片付けたら、ものすごく音が響くようになってびっくりした!」とかいう経験はありませんかね?
こういったちょっとした「環境」の変化も、一つ一つの影響は少なくても、積み重なると意外と大きな音の変化を引き起こします。



○声の「響かせ方」を意識すれば、ちょっと楽に大きな声を出したりできるかも


と、色々書いてきたわけですが、まとめると、「同じ部屋の中でも、自分の立ち位置やモノの配置などによって響きはわずかに変わってくる」ということになります。


このことを上手く利用してやるには…
「自分の声がどのような方向に向けて出され、どのように広がり、どのように響いていくかをイメージする」
という意識があると良いです。


教室の例で言えば、
・教壇から下り、生徒に半ば埋もれた状態で、うつむき気味に声を出す
・教壇に上って、頭ひとつ高いところから、「天井〜頭上」の空間に響かせるイメージで声を出す
の2者では、絶対に後者の方が声を出すほうも楽ですし、聞くほうとしても聞き取りやすいと思われます。


一般的な話をすれば、
・自分の周りに「反響板になりそうなもの」や「音を適度に響かせられそうな空間」はあるか?
・自分の声の行く手に、よく響きそうな空間はあるか?
・逆に、自分の声の通り道や響かせる予定の空間に、音を遮ったり吸収してしまうものはないか?
・自分のイメージする「声の広がる範囲・空間」の中に、声を届けたい相手は全員納まっているか?
…などというイメージ。


こういうイメージを持って「響きを使いこなす」ことができるようになれば、いつも通りの大きさ・明瞭さの声を、いつもよりほんの少しだけ小さな力で出すことができるようになるかもしれません。
それによってできたほんのちょっとの余裕を、喉をいたわるための余剰と使ってもいいですし、さらに表現力を増すために使ってもいいですし。


また、「自分の声がどのような方向に向けて出され、どのように広がり、どのように響いていくか」というイメージを持って発声することによって、「距離感のある声」「よく通る声」になりやすい、という効果があります。
「そば鳴り声」や「がなり声」、「通らない声」や「ボソボソ声」の予防に役立つかもしれません。
また、音量のコントロールとか声色のコントロールなんかもやりやすくなります。
…などなど、色々利点があるので、たとえ実際にたいして響きが変わらないとしても、イメージを持つメリットがあります。



○関連エントリ


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