「大きな声」を出すための、初心者向けボイトレ。


今回はちょっとしたボイトレ一発ネタを…と思ったら意外に長くなってしまった。
かなり初心者向けの内容…かな?
アクセス解析とか見ると、意外と「大きな声を出したい!」と思ってこのブログに来る人が多いようですが、意外と声量関係の記事って少なかったので。



○「大きな声」を出すための、初心者向けボイトレ。


1.両手で持ち上げられそうでなかなか持ち上げられないサイズの何かを用意します(ポピュラーなものとしては「机」)。重いほど効果がありますが、腰を痛めない程度の重さにしましょう。
2.両手で持ち上げます。しっかり腰を入れて、腕だけでなく全身を使って持ち上げましょう。
3.持ち上げながら、「よいしょーーー!」「おおおおお!」「どっせーーーい!」「URYYYYYY!」などと、おもむろに大声を出します。
…こんだけ。
喉を痛めないよう、違和感や痛みを感じたら止めましょう。
声質は、良い声出そうとする必要は無い(と言うか良い声を出そうとしちゃだめ)ですが、「割れた声」とか「かすれ声」とかにはならないように。



○本当に効果あるの?


一応、これで声が大きくなる理由を説明すると…
・重いものを持つことで、強制的に腹式呼吸しかできない状態に体が固定される
・持ち上げようとする動作に伴い、腹筋・背筋をはじめとした全身の筋肉を使って発声できる
・「体を広げながら」息を吐いたり声を出したりする感覚がつかめる
・喉周辺の筋肉のうち、「喉仏を下げる・声帯を寄せる」筋肉に力が入りやすくなる
・動きながら声を出すことで気分がハイになりやすい
という効果が。


腹式呼吸で、しっかり腹筋や背筋をはじめとした全身の筋肉を使った発声をすることで、いわゆる「腹から声が出ている」状態になりやすいです。
さらに、普通声を出すとそれに応じて体は「しぼんでいく」イメージがあると思いますが、大きな声を出すためには「声を出すほどに体が広がってゆく」イメージが大切なんですね。
もう少し具体的に言うと、息を吸ったときの「胸や、みぞおちや、背中(腰)」の「張り・ふくらみ」を維持・拡大しながら声を出すイメージ。
もの持ち上げるときにこの辺の「張り・ふくらみ」が縮んでしまうと持ち上げられなくなってしまいますから、「声を出すほどに体が広がってゆく」イメージを身に着けるのにいいんです。


それに加えて、この運動によって声帯が適度に閉じられやすくなるので、「声帯を閉じる力が弱くて声が小さい」という状態を治す手がかりになるかも。
何を喋っても「ささやき声」のようになってしまって声が小さい…という場合、「声帯を閉じる力が弱い」のかもしれません。
声帯を閉じる力が弱くて十分な圧力のブレスをかけられない…という場合と、十分な圧力のブレスをかけられないから声帯を強い力で閉じられないという場合があります(そして大概は相乗効果で同時に起こってます)が、このトレーニングは両方を同時に治療できますので、特に効果があるかも。
それと、これとは逆に、声帯を閉じようとする力が強すぎてがっちがちに固まっちゃってうまく振動が起こらず声が小さい(というか効率が悪い)という状態(言うなれば「貧弱な喉声」)もありえますが、このトレーニングで「喉から強制的に意識を遠ざける」ことで、「喉に力を入れようとしなくても(しないほうが)声はしっかり出せるんだ!」ということを体で覚えられたらしめたものです。


そして…初心者レベルだと、「気持ちの問題」ってすごく大事。
体を動かすとちょっとテンションが上がり、それによって気づかないうちに大きな声になってる…なんてことも多々。
大体の人には普通、大声を出すことに対する「心理的なブレーキ」がありますね。
(ある程度の発声上級者ならこのブレーキを意識的に外せるし、「明るい性格」や「前に出られる度胸」とかに幸か不幸か恵まれた人の場合ブレーキが効きづらかったりするんだけど。)
なので、慎み深い精神を持った皆様の場合は、まずとりあえずこの「心理的なブレーキ」を外した・外れた感覚というものを少しずつ身に着けていく必要があります。


・関連エントリ
「大きな声」を出すための、効果的で非常識なトレーニング - 烏は歌う



○身に着けたいこと


まとめとして、このボイトレで身に着けたいものは…
・「腹から声が出る」感覚!
・「体をこういう風に使うと、強い声が出せる」という感覚!
・(もし「大きな声」「強い声」が出せたら)「自分にも、これくらいの声は出せるんだ!」という経験!
の3つです。
これらを身につけられたら、それは発声の「基礎」となりうる感覚・経験ですので、きっと大きな財産になるかと。