発声はバランスが大事。バランスしだいで、今弱点だと思っているものが、明日には長所になってるかも。


前の記事では「声帯を閉じる力が強すぎる彼」にまつわる諸々を書きましたが、「声帯をきっちり閉じられる」っていうのは、間違いなく「よい歌い手」となるための強力な武器の一つですよ。


でも、その武器は、他の要素との良い「バランス」の中に存在しないと、むしろ障害となるわけです。
せっかくの「声帯をきっちり閉じられる能力」があっても、「出したい声に応じて声帯の閉まり方をコントロールする力」や「ブレスとのバランス感覚」などがないと、それは「喉声のもと」になってしまったりする。


他にも例えば、「(頭声的な意味で)よく響く声」だって、しかるべき音域でしっかりとした地声も出てないのにそっちにばっかり逃げると、「瀕死のヨーデル」になっちゃう危険性もあったり。
「(胸声的な意味で)よく響く声」だって、それだけじゃあ、「アニメの悪役っぽい声」にしかならないしさ。


軽自動車にF1仕様のエンジン積んだり、遅い車にF1仕様の超強力ブレーキ積んだって、レースではろくに戦えないようなものですよ。
総体として磨き上げていかないと。


まあ、普通に喋ったりカラオケで小声で歌ったりする分には、誰でも大体は健康なバランスの上にある訳ですよ。
ただ、例えば人前で大口開けて歌うなんて「異常事態」だと、普段気にしていないような「バランスの崩れ」が気になってきます。


さっきのついでに車に例えると、
ちょっとエンジンが弱ってるとか、ギアがエンジンの駆動力を少しロスしてるとか、アクセル踏んでも反応するのにちょっとタイムラグがあるとか、ギアの入りが悪いとか、ブレーキペダルの遊びが無いとか…
そういうちょっとした故障なら、買い物に行くくらいは気にせずできるわけね。


だけど、それでレースとかに出ちゃうと、限界域ではコントロール不能になるし、最悪エンジン焼ききったり壁に突っ込んだり、取り返しのつかない故障を起こす可能性がある訳。
あと、車自体の性能とは別に、レース用に最低限の調整はしないと、レースではまともに走れないのね。


自分の「声」は、乗り換えることはできないわけです。
だからまあ、修理して、セッティングして、なんとかこの声で一生やってくしかないのよねー。
人にいじり方を教えてもらうも良し、自分でとりあえず分解したり組み立ててみたりするも良し。