4−2 調音についての補足

1 目次


4 人間が「言葉」を喋る仕組み…調音


4−1 調音についての概論


4−2 調音についての補足
 ・調音器官のバランスとリラックス
 ・「滑舌」について


○調音器官のバランスとリラックス


さて、前回紹介した調音器官ですが、この調音器官を「バランス良く使うこと」「リラックスさせること」が良い発声のためには必要不可欠です。


調音器官のどれかが「必要なはたらき」をしていない状態では、発音も当然おかしくなりますし、それだけではなく音程・声の大きさ・声の印象…など様々な部分で問題が起きてきます。
また、どこかの部分に「力み」が生じてしまうと、その部分の動きが悪くなるだけでなく、まわりの部分も連動して動きが悪くなってしまい、発声に多大な悪影響を及ぼす場合があります。
調音器官の力みは声帯の力みにも繋がってしまうので、とにかく「リラックス」は心がけた方がいいですね。
で、調音器官のバランスが悪いと無理な力みが必ず生じてくるので「リラックス」しようにもできません。
なので、調音器官の特定の部分ばかりを酷使していないか、どこかがサボっていないか…という感じで、「調音器官のバランス」についても注意する必要があります。


具体的な練習法としては、
・発音練習を地道にやっていく
・調音器官や表情筋のトレーニングを行う
という方法があります。


発音練習としては、あんまりこのブログでは取り上げてないので他のサイトを紹介しておくと、
「OCM式日本語50音」発音
とか、
発声について−Chor Clear Sky
とか。


調音器官や表情筋のトレーニングについては、
唇を柔らかく使って、綺麗な声になりましょう - 烏は歌う
(唇のトレーニング、脱力法について)
とか、
歌うときに、顎が力んでいませんか? - 烏は歌う
(顎、力の入りづらい口の開け方について)
とか、
エリック兄さんのボイストレーニング。 - 烏は歌う
(上から3、4つ目の動画がとても良い舌や喉の運動になります)
とか。


余談ですが、よく
「しっかり大きくはっきりと口を動かして!ほら、大きく口を開いて『あ』!唇を横に思い切り引いて『い』!」
…みたいな感じの指導を聞いたりしますが、私はあんまりそういう言い方は好きではないです。
「単に調音器官の動きが足りない人」にはそれで良いのですが、こういう言われ方をするとどうしても意識しやすい部分(顎とか)ばかりに力が入ってしまって調音器官のバランスが崩れたり一部だけが力んだりして変な発音や変な発声になってしまいがちですからねー…。
まあ、はっきり口を動かさせるやり方に理がないわけではないのですが(確か劇団四季とか、こういうメソッドだったような…)、別のやり方もあるってことは知っておいて損はないかも。
例えば、こんなの。
発声についての色々な問題が解決するかもしれない、「母音」のボイストレーニング - 烏は歌う



○「滑舌」について


調音器官のはたらきが上手くいかず、発音が上手くいかなかったり、言葉や文章をスムーズに読みあげることができない状態を「滑舌」が悪いと言ったりしますね。


この滑舌の悪さで悩んでいる人は多いようですが、滑舌の悪さの原因は本当に様々なので、「こうすれば治る!」と言い切れるような方法は存在しません。
調音器官が力みすぎて滑舌が悪くなる人もいれば、逆に力を入れなさすぎて滑舌が悪い人もいます。
調音器官が必要以上に動いてしまって滑舌が悪い人もいれば、全然動かなくて滑舌が悪い人もいます。
一音一音ちゃんと調音器官が動かなくて滑舌が悪い人もいれば、一音一音はっきりと発音しようとしすぎて言葉の繋がりが悪くなって逆に滑舌が悪くなってる人もいます。
…ほんとうに様々な要因があります。


なので大切なのは、「滑舌が悪い」という一言でくくってしまわず、自分の声と向きあって「具体的に何がどう問題なのか」をちゃんと考えていくことです。
詳しい話は下の過去エントリでどうぞ。


「滑舌」について考えてみた - 烏は歌う


「明瞭な発音」を手に入れるためのボイストレーニング - 烏は歌う


「滑舌を良くする」ためのボイストレーニング - 烏は歌う


どんな原因で滑舌が悪かったとしても、とにかく大切なのは、「とりあえず、できるはやさで、ゆっくりしゃべってみること」です。
基本ができていない状態でスピードを上げても上手くいかないので、とりあえずできるところから一歩ずつやっていきましょう。
その上で、調音器官の正しい動きを学びつつ練習したり、一音一音の繋ぎを意識して練習したり、似ているけど違う動きや力加減で発音される母音子音の出し分けを練習したり…というように、地道に練習するのが最終的には近道ではないかと思います。