はじめての楽曲分析(アナリーゼ)。

ボイストレーニングから一歩半ほど外れて、「音楽理論」ネタをひとつ。



○楽曲分析(アナリーゼ)ってなんだ


えー、上手いこと説明するのが難しいので、ちょっと童心に帰りつつ下の記事を読んでみましょう。


第06回 「アナリーゼってなに?音楽に分析は必要なの?!」 | みー子さんのピアノアレコレ | ピティナ・ピアノホームページ


第09回 楽譜って、どうして見なくちゃいけないの? | みー子さんのピアノアレコレ | ピティナ・ピアノホームページ


第04回 「ソルフェージュってなぁに?」 | みー子さんのピアノアレコレ | ピティナ・ピアノホームページ


…要するに、
・「音楽の構造」を分析し、把握しておくことで、
・その音楽の持つ「魅力」や「メッセージ」を最大限に発揮し、
・自分なりの「演奏」「表現」「演出」の工夫を考える手助けになり、
・かつ「演奏しやすく」なり、楽に演奏できてミスも少なくなる!
というのが楽曲分析です。


「楽曲分析」とか「アナリーゼ」とか言うと、
「クラシック用語だし、ポップミュージックをやっている自分には関係ないんじゃないか」
「なんだか難しそうで、分析だのなんだのと理屈をこねまくることは音楽の楽しみを損ねるんじゃないか」
みたいなイメージを持たれがちだと思いますが、決してそんなことはないというが、上の記事を読んでもらえばわかるんじゃないかと思います。
あらゆるジャンルの音楽をやる人にとって有益なことですし、やってみると非常に面白いですよ。



○はじめての楽曲分析(アナリーゼ)


「分析しろ」って言われたって、なにからはじめたらいいかわかんない!
…という人は、
・まずは「部分」に分けろ
・「部分」に分けたら、性格付け
・曲のストーリーを大雑把に把握しよう
という分析方法をやってみましょう。


だいたいの音楽というのは、いくつかの「パターン」の組み合わせでできています。
ポップスなら、「Aメロ」とか「サビ」とかいうやつですね。
クラシックなら、「○○形式」みたいな感じでかっちり「構造」ができている場合もありますし、そうでない場合もあります。
いずれにせよ、曲の雰囲気が変わる場所で区切って行ったり、メロディーなどの区切りのよい場所で区切っていくと、いくつかの「パターン」の組み合わせ、というものが見えてくるかと思います。
だいたい3〜5分くらいの曲(一般的なJPOPや合唱曲)だと、だいたい3パターン前後を繰り返して4〜8部分に分かれる、ってのが平均かなー…(←印象だけで言っているので、あまり信用しないように。)


そして幾つかに区切ったら、今度はその部分部分が「どのような性格を持っているか」を考えていきましょう。
例えば、明るい/暗い、速い/遅い、高い/低い、激しい/穏やか…といったような「雰囲気」であったり「特徴」であったり「曲の中での役割」というものを、気づいた端からメモったりしていくわけです。


それができたら、最後に「曲のストーリー」を大雑把に把握しつつ、それを演奏に生かせるように演奏の「計画」を考えましょう。


曲のストーリーとは…
例えば、「Aメロ(ちょっと明るい)→Bメロ(ちょっと暗い)→サビ(とても明るい)」×2番というのがJ-POPの定番の形の一つ。
例えば広瀬香美の「ロマンスの神様」とか、これ+α。

最初のAメロは、ちょっと明るく無難な感じで「導入」「起承転結の起、承」「序破急の序」が行われるわけですね。
で、Bメロは「転」「破」が起き、ちょっと不穏な感じを漂わせたり「雰囲気を変える」ことで、サビへの「溜め」をつくったり、サビの強さを引き立てたり、曲を「一本調子」にしない効果があります。
そして、曲の最も盛り上がる場所、メインテーマ、結論である「サビ」に至る…
という「ストーリー」の構造になっています。
で、このストーリー展開が1番2番と繰り返されるわけですが、繰り返すことで「すでに知っているから盛り上がれる」という効果であったり「繰り返すことで伝えたいものをダメ押しする」という効果を狙います。
さらに、繰り返しによる「飽き」をさけるために、ただ繰り返すわけではなく「ちょっと変えて」繰り返す…という手法も定番です。


こういう形になるとは限りませんが、「部分に分けて」「部分を性格付け」…という手順を踏めば、必ずなんらかの「ストーリー」構造が見えてくると思います。
で、そのストーリーにうまく乗ること、ストーリーを上手く強調してやることが、「歌唱力」向上のための大きな一歩となります。
上の例で考えると、
・音量をAメロ→中、Bメロ→小〜後半にかけて徐々に大きく、サビ→大、という感じで歌ってみよう!
・声質や表情をAメロ→普通、Bメロ→ちょっと暗い、サビ→明るい、という感じで歌ってみよう!
・歌い方をAメロ→普通に流す、Bメロ→丁寧に歌いこなしつつテンション上げてく、サビ→とにかく思い切り良く、という感じで歌ってみよう!
・繰り返しの2番は、一番より少し大きな音量で、声質や表情や音量差などの表現をさらに大げさにつけてみよう!
…などなど、いろいろなやり方がありますが、こういうのを意識して歌うと全然違います。



○次の一歩、「音楽理論」を勉強して、もっと詳しく分析しよう。


と、まあ、楽曲分析の本当に「最初の一歩」を紹介してきました。
で、「次の一歩」は何かというと…
今までは全部「雰囲気」で曲を部分に分けたり性格付けしたりしてきたわけですが、それを「楽譜」などを使って(耳コピでやるなら楽譜必須ってわけでもないけど)、「雰囲気」や「印象」だけではなく音楽理論」を使いながら音楽を読み解いていくことです。
…ようやく、「分析」らしくなってきました。
今までは「大雑把に分けて大雑把に性格付け」という感じでしたが、次は「ちょっと丁寧に分けて、分けた中身を音楽理論の知識なんかも使いつつじっくり見ていこう」という感じです。


例えば、「なんとなーく楽しい感じのする部分だ」と思ったとき、音楽理論の知識があると…「何故ここを楽しく感じるのか」がわかってきます。
それが発見できると音楽がとても楽しくなってきます。
さらに、その発見した「楽しさの原因」を強調して演奏したりすることもできるようになり、「表現力」が上がります。


音楽理論」と言うと、またなんだか「難しそう…」みたいな印象を持たれがちですが、やっぱりこれも入り口付近はとても簡単で楽しいので大丈夫。
次回はその辺の音楽のもっと詳しい分析の仕方を、初歩の初歩から書いていきたいと思います。