楽曲分析で、脱「残念」な歌


今回は、「典型的な残念な歌のパターン」を3パターンほど挙げて、この「楽曲分析」に関する記事シリーズを一旦締めたいと思います。


・過去記事
はじめての楽曲分析(アナリーゼ)。 - 烏は歌う
音楽を読み解くヒント。 - 烏は歌う
音楽を読み解くヒント2。 - 烏は歌う



○計画性の欠如による、息切れ・体力切れ…


ありがちな失敗として、
「本来一番盛り上がるべきところなんだけど、もうこれ以上音量が出せない!」
「サビなのに体力がもう切れてて、高音が届かない!」
「一番楽しい部分なんだけど、なんだか疲れちゃってて声の音色が暗い…」
「別に盛り上がらなくてもいいところでやりすぎちゃって、次のサビとか、これ以上盛り上がるの無理です」
…なんて失敗、よくあると思います。


こういうありがちな失敗を防ぐためにも、楽曲分析は役に立ちます。
あらかじめ曲の「流れ」「ストーリー」を知っておくことで、「全力を出すべきところ」と「力を抑えてもいい、抑えるべきところ」を把握しておけば、体力の心配も少なくなります。


歌唱力というものを考える上で大切なのは、表現の「絶対量」ではなく「幅」です。
歌う力を最小9割→最大10割…という感じにするより、最小3割→最大8割…という感じで歌ったほうが上手く聞こえることが多いですし、こういう変化率なら前者の10割より後者の8割の方が大きく強く聞こえることさえある、というのが歌ですので、効率よくいきましょう。



○「歌」と「音楽」がちぐはぐ…


また、ありがちな失敗例として、
「穏やかな部分なのに焦って歌ってしまったり、激しく盛り上がっていく部分をまったり歌ってしまったり」
「優しい部分を荒っぽく歌ってしまったり、力強い部分をナヨナヨと歌ってしまったり」
「リズム重視のフレーズをしっかり歌おうとし過ぎてもっさりしてしまったり、重厚なメロディーの部分を跳ねすぎたリズムで歌ってしまって軽くなっちゃったり」
「優しいフレーズを力んだ声で歌ってしまったり、力強いフレーズを囁き声で歌ってしまったり」
「開放感あふれるフレーズを押し付けるような発声で歌ってしまったり、緊張感あふれるフレーズを抜け感たっぷりの発声で歌ってしまったり」
…なんて失敗も多いですね。


やっぱりこれも、予め楽曲分析をし、その曲が部分部分で
「どのような表情になるか」
「どのような性格を持っているか」
「この部分の何が面白く、何が見せどころなのか」
を把握しておけば防げる失敗です。



○曲に「歌い手の個性」があってない


「歌う曲が持つ特徴」と「歌い手の個性」があっているのか?というのも、楽曲分析をやっていく上で考えておくといいでしょう。


やっぱり、その曲が持つ「見せどころ」と歌い手の「見せどころ」がガッチリ噛みあうと、とても素晴らしい歌になります。


逆に、曲が持つ「見せどころ」と歌い手の「見せどころ」が噛みあわないと…残念なことになりますね。
例を挙げておくと、高音が見せ場の歌で高い声が出せなければ残念なことになりますし、リズムが面白い曲を変なリズム感で歌えば残念なことになりますし、見せ場でロングトーンが続く曲で途中に息切れ事故を起こしてしまうのは残念ですし、明るさや前向きさが売りの曲を暗い表情で歌ってしまえば残念ですし…きりがないのでこの辺にしときますが。


そういう意味ではそもそもの「選曲」が大事だったりしますし、曲だけでなく「自分自身」もたまに分析しておく必要があるかもしれません。
カラオケなんかだと特にね…キー選択とかなんだかんだで重要。


「歌いたい曲」と「自分の個性」が噛みあわない、けど諦めたくない!という場合…
例えば、
・「ギャップ狙い」「変化球勝負」として、そういう「イロモノ」意識を持ってそのまま歌ってしまえ!
・曲の中から、「自分に合う、隠れた見せ場」を探して、そこをメインにしてしまおう!
などの方法で、「自分の歌」にしてしまう、という道もあります。
こういうのは、いわゆる「カバーアルバム」とか「トリビュートアルバム」なんかを聴きこむのが習得の近道ですね。
カバーアルバムの常連なんかは、「どんな歌でも自分の歌にしてしまうスキル」がある人も多いですし、トリビュートアルバムとかだとたまに「明らかにギャップ狙い」「なぜ、お前が!w」という感じのアーティストが混ざってたりすることがあるので、そういうところに学びましょう。