気になるところから、徹底的に目を逸らしてみる


そういえば、これは本当にいい記事だなあ…と思ったボイトレ関係の記事を、まだ紹介していなかったなあと、ふと思ったので、今回はそれの紹介。



○喉が開かない、という人に対して


ペンギン様^^ - ヴォイストレーナー チャトラ猫の原稿倉庫 - Yahoo!ブログ

「ノドを開けなさい」という指示または先輩からのアドバイスは、間違いとは言えないものの、非常に無責任な言葉であることは否めません。「これこれこうすればノドが開くよ」という具体的な方法を示さない限り、なんの意味も無いどころか、聞き手を混乱させるだけなのです。

「のどを開ける」ということは「のどが閉まっている」わけです。少なくとも「閉まった感じ」がするということです。ヒトの身体は全部つながっていますから、のどだけが閉まるということはよほどのことが無い限りありません。よほどのこととは、首をつったり、誰かに首を絞められたりしないかぎり・・・ということです。
 歌っていてのどが開かないというのは、ほとんどの場合、声帯に近い筋肉が余分な緊張を強いられる結果、声帯で作られた元の声が響かなくなってしまうわけですね。ギターの弦に指で触れれば音がやんでしまうのと同じです。

「のどを開く」というこの業界の慣用句は、「上半身に余分な力を入れるな」と言い換えても良いでしょう。しかしそれでもまだ不親切です。なぜなら、力を抜くことは力を入れることよりも難しいからです。
 右手で丸を描きながら、同時に左手で三角を描いてみましょう。片手ずつならできるのに、同時に両手でやると難しいでしょ?
「上半身の力を抜く」のが困難な人には、「下半身に力を入れろ」と指示することで、うまくいくことが多いのです。発声時の「おなかの支え」というような言葉はそういう意味でしょうね。


>「のどを開く」というこの業界の慣用句は、「上半身に余分な力を入れるな」と言い換えても良いでしょう。


…結局、この一言に尽きるんじゃないかと思います。
私も、「喉を開いて!」という用語に迷わされたことがあり、このブログで色々考察してみたこともありますが…色々考えぬいた結果、結局この結論に戻ってきます。
「開け!」という意識が強くなってしまうと、喉を開こうと無理な力が入ってしまった結果として、むしろ発声が阻害される方向に力が働いてしまうことって非常に多いです。
なので、大切なのは「開こう!広げよう!」という意識ではなく、
「上半身に余分な力を入れるな」
「上半身に余分な力を入れて、喉を硬直させるな」
という意識でしょう。


過去に考察したもの↓
「喉を開く」について、再度まとめ - 烏は歌う
「あくびの喉で」「喉を開いて」発声する、ということについて質問に返信。 - 烏は歌う



○気になるところから、あえて意識を外せ!


>力を抜くことは力を入れることよりも難しいからです。
>右手で丸を描きながら、同時に左手で三角を描いてみましょう。片手ずつならできるのに、同時に両手でやると難しいでしょ?
>「上半身の力を抜く」のが困難な人には、「下半身に力を入れろ」と指示することで、うまくいくことが多いのです。発声時の「おなかの支え」というような言葉はそういう意味でしょうね。


…そういえば、過去にちょっと言及した広瀬香美の発声法も、「お尻の穴」と「頭上」を強く意識することで、「喉」のことをさっぱり忘れてしまおう!という内容でした。


この、「気になるところ」「上手くいかないところ」以外の部位に集中を集め、あえて意識から外す…という練習、実はかなり使えます。
スランプに陥ったときや、練習に刺激がなくなってきたときなどに取り入れてみると、意外な効果があるかもしれません。
特に、「力を抜け!」とか「自然に!」とか言われた場合には非常に使える練習法。
こういう場合は、その部分を意識すればするほど力んでしまったり、動きが不自然になってしまったりして、「意識すればするほど上手くいかない」状態になるんで。


喉が閉じているのをなんとかするために、下半身などに集中して喉のことを忘れる…というのが今回紹介した記事の方法でしたが、それ以外にも、例えば
・ブレスが安定しない→手振りをつけたりしながら声を出して「腹」「呼吸」のことを忘れる
・ハスキー声が気になる→表情を大げさにつけることを意識して「喉」のことを忘れる
とか、色々応用法があると思いますので、色々考えてみるといいと思います。