ハミングの話。

結論から言うと


1.「正しいハミングの仕方」とか、たぶん存在しないからね
2.「用途」に応じて使い分けましょう


色々なハミングの仕方があるみたい


「正しいハミングの仕方」ってどうなの!?
と聞かれたりすることがあるんですが、そんな風に思ったことはないでしょうか。
「口の中の空間は広げるの?狭めるの?」
「上の歯と下の歯はつけるの、開くの?」
「舌は上げるの?下ろすの?」
「唇はしっかり閉じるの?少し開くの?」
…などなど、色々なハミングの仕方がありますからね。
で、どれが「正しい」の!?というのはよく議題に上がるんですが…「正しい」とか、たぶん存在しないんじゃないか。
どれも正しいし、どれも場合によってはよろしくない、と、そんなもんだと思います。


ボイストレーニングとしてのハミング。


ハミングで発声練習をすると、
・喉などへの負担が少ない
・喉や鼻へ「響かせる」感覚をつかむいい練習になる
・音量があまり出ないので、工夫次第では自宅などでもボイトレができる
…などの良いことがあります。


特に、
・喉や鼻へ「響かせる」感覚をつかむいい練習になる
については、普通の声の出し方では気づきにくい感覚をつかみやすくなるので、よく使われているというか、ハミングで発声練習させるならまずこれが目的だよね、という感じで。


で、特に「高い位置(喉の奥の高い部分や鼻腔)を響かせたい!」という場合には、口を閉じたり、舌を上あごにつけて、
「口の中を狭くして」「声を全部真上に、鼻から出しちゃう」
という練習方法がよく知られています。


家での練習方法 その2 ハミング|歌のお悩み解決事典
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それと、声楽とか合唱界隈なんかだと、
「口の奥を思いっきり開いて、前だけ閉じる!」「口の中に卵が一個分入るくらい開いて!」
…などという指導がされることがありますね。
なんか、上の方法と矛盾しているようにも見えますが、目的がちょっとだけ違うってだけです。
クラシック的な発声方法でも、「上に響かせる」ことは勿論大事なのですが(むしろうるさく言われますが)、それだけじゃなくクラシック的な重厚な響きを得るために「喉の空間をより大きく開きたい」とか「舌を下げたい」とか「口の前側より奥の方が広く開いている声楽的基本ポジションをおぼえたい」とか、そんな理由があって「口の奥を大きく開いたハミング」の練習をするわけです。


なので、どっちが正しいとかじゃなく、目的に沿った方を選べばいいよね、という話です。
そして、ポップス的な発声を志す人もときどきは「口の奥を思いっきり開いて、そこで響かせたものを上へ」的なハミングをして声の重厚感や深さを身につける練習をしてみるのもいいと思いますし、声楽的な発声を志す人もときどきは「口の中を狭めちゃって、声を直接全部上へ」的なハミングをするといわゆる「喉声」「詰まった声(クネーデル)」の解消ができるかもしれませんし、いいんじゃないでしょうかね。


歌うため、聞かせるためのハミング。


もちろん、ハミングはボイトレのためだけに在るものではなく、歌の表現の一部としてハミングを使う機会は多いですね。
そんなときに「正しい」ハミングとはなにか…と考えると、やっぱりそんな便利なもの存在しねえな、と。


上述の「口の中を狭めてのハミング」だと軽く明るく鋭い感じの音色になりますし、「口の中を大きく広げてのハミング」だと重厚で暗く鈍い感じの音色になりますし、表現的にやりたい方を考えてそちらでどうぞ、という話ですよね。
他にも色々なハミングの仕方があると思いますが、音楽の中でリラックス感を出したいのか緊張感を出したいのか、メインメロディーなのかサブなのかハーモニー担当なのか、どんなキャラを演出したいのか…などなど、時と場合に応じて色々なハミングを使い分けながら、最適なものを探していくしかないでしょうね。


そんな中で、「基本」というか「ニュートラルポジション」になりそうな良いやり方だな、と思ったのが、この記事のハミングのやり方です。


ハミングは「フ〜ン、フ〜ン」と歌っているだけでは自分にしか聴こえない響かない 良いハミングのやり方とは:永井千佳の音楽ブログ:ITmedia オルタナティブ・ブログ

1、まずハミングではなく、普通に[lu]で歌う。
 
ポイント:[l]の子音で舌をしっかりと上顎につけること。[u]の母音は、[o]をちょっと前に出した感じで。
 
2、唇を前に突き出して、唇の上下がくっつくかくっつかないかくらいまで閉めて[lu]で歌う。
 
ポイント:唇を硬く閉じると[l]のとき舌先を上手く使えなくなります。口の閉め方は力まずに唇がついているかついていないかくらいに。口の中は常に[u]の状態。口の中を閉じないで。
 
3、2の方法で舌を動かさないで歌う。
 
4、3の方法で完全に唇を閉じて歌う。
 
5、4の方法で唇を0.01mmだけ開けて歌う。
 
ポイント:やわらかく[u]の発音をするつもりで。舌は動かさないでで[lu]というつもりでよい。[lu」と言っているけれども、口は開いておらず舌も動いていない状態。


もちろん、これじゃなきゃいけないってわけではないです。
もっと自分のやりたい表現に適した方法があって、それを使いこなせているなら、それは素晴らしいことですよね。