母音を整えたい。

自分も最近この辺で悩んでいるので、書いてみる。


母音によって声が変わってしまう問題


まあ、母音によって、声の響きが変わってしまうのは、当たり前と言えば当たり前なんですよね。
まったく変わらなければ、母音の変化がなくなってしまうわけで、言葉にならないわけですし。


しかし、母音によって声質が変わりすぎると、色んな問題が起こってきます。
特定の母音が「変な響き」「あまり気持ちの良くない響き」になってしまうと、それが気になってあまり良い印象の声ではなくなってしまいますし、喉にも負担がかかります。
また、1フレーズで歌いたい、喋りたい内容でも、途中で大きく声質が変わってしまうと「滑らかさ」がなくなってしまって雑な印象になってしまいがちです。


特にやりがちなのが、


1 「い(え)」母音で、口全体を閉じ気味にして横だけに開いたり、首に力を入れてしまうことで、平べったい響きになってしまう


2 「う(お)」母音で、口全体を閉じ気味にしてしまって、響かない上にこもった声になってしまう


3 「あ」母音で、急に大きく口を開けすぎて、下あごや喉に力が入ってしまって声が濁ったり、前に出すぎて音量や響きが突然うるさくなってしまったりする


…というパターンが定番でしょうか。
ちなみに私は3の症状が出ることが多いです。
「あ」母音で急に口の前の方が広がってしまうと、奥の方が逆に急に狭まってしまって、いわゆる「浅い声」になりがちなんですよね。
特に日本語の曲は、「○○がー」「○○はー」などと、「あ」母音の助詞が多いものですが、助詞で声が濁ってしまったり大きくなってしまったりすると、別に強調しなくてもいいところが強調されてしまって嫌な感じですよねー。


まあ、いざとなったら「あ」母音をほぼ「お」母音に置き換えてしまって声を落ち着ける…という小技もあるんですが。
おふざけボイストレーニング、魔法の言葉「こんとんじょのいこ」で「深い発声」を手に入れる! - 烏は歌う


あと、「い」母音が苦手な場合、「い」を発声する一瞬前に「う」の口をして(口を前に尖らせて)、「(う)いー」と発音すると、ちょっとだけ改善する場合があります。
唇を前に尖らせると、首筋の「い」母音を発音するときに力みやすい筋肉が伸びますので。


下あごの動きに注意する


これら、母音による声質の悪化を防ぐためにまず注意することは、下あごをとにかく力ませないことです。
「深い発声を心がければなおる!」みたいなことを言う人もいますが、「深い発声って何よ」ってところからしてなかなかに抽象的というか哲学的というか…なので、そのへんにはあまり触れないことにして。
常に、「口の奥はスペースを確保しつつ、口の前の方は無理して開けない」というのを心がけるのが大切です。
そのために、下あごは、「開ける」のではなく「落とす」「ぶら下げておく」のが大切。


過去に、下あごに力が入りにくい口の開け方を考えたエントリがありましたが、その開け方を「常に」保つことが大切ですね。


いい声が出せる「口の開け方」 - 烏は歌う


発声時のあごは、力を掛けて「開ける」ものじゃなく、重力に任せて脱力して「落とす」もの。
もっと言えば、「落ちっぱなし」くらいが理想。
常に上下の奥歯の間には適度な空間が広がっていて、急に広くも狭くもならないようにするのがいいのかな、と。
で、下あごは脱力したまんまで、喉の奥の方の動きや舌や唇の微妙な動きで母音をコントロールし、さらに表情筋を総動員して声をコントロールする、と。


まとめ


下あごを「い」母音や「う」母音で力いっぱい閉じたり、「あ」母音で力いっぱい開く…では、声質が母音ごとに大きく変わってしまい、聞き苦しい感じになってしまったり、喉に負担がかかってしまったりします。
たまに気合いを入れて歌おうとするとこれを忘れがちなんで、気をつけたいな、と。