声を出そうとすると鼻が動いてしまう、というお悩みについて

典型的なダメ声、「鼻声」とは? - 烏は歌う
についたコメントの話。
けっこう長くなったので記事にしてまとめてしまえ企画。


鼻が動く原因


声を出す瞬間に鼻が動いてしまうという理由として考えられるのは…
1.声を出す前後に鼻から大量の息が漏れている
2.表情筋の働きによって、呼吸関係なく鼻の穴が動いている
という2パターン。


で、1のパターンだと、鼻が動くのがわかるほど息が漏れるとなると、相当な量の息漏れが起こっていると考えられます。
鼻って軟骨がけっこう入っているので、軽く息を吹いたくらいじゃ、目で見てわかるほど動かないんですよね。
…今も試してみたら、むせた。
明らかに「鼻から大量に息漏れしてる」ってのがわざわざ鼻を見なくたってわかるし、明らかに異質な声になりがちなので、たぶんこっちで悩んでる人は少ないんじゃないかな、と思います。


で、2のパターン。
表情筋の動きによって、声を出す準備の中で鼻の穴が開くように動く。
こちらの場合、鼻が動くのは全然ダメじゃないどころか、むしろ発声のための「良い準備」ができているから動くのであって、全然悩む必要は無いと思うのですよね。
よく、「いい声を出すためには、目を見開いて!口角を上げて!」みたいなことが言われますが、こういう表情筋の一連の動きの中に「鼻の穴を開く」というのも含まれているのですよね、実は。


鼻声に関する色々


発声時に「鼻が動いた」=「鼻声」って言えるわけでもないのが、なかなか今回の質問の難しかったところ。
まあ、実際に声を聞ければまた感想も違ってくるんでしょうけど。


「鼻声」ってのは曖昧な言葉で、言う人言われる人によって意味合いが違ってくる厄介な言葉であるのです。
例えば、「鼻に響かなさすぎる声」も「鼻に響きすぎる声」も、真逆の意味なのに同じ「鼻声」という単語で表現されることが多いのは、冒頭の過去記事でも紹介しました。
他にも「滑舌」や「発音」が悪いと「鼻声」って言われたり。
言葉の最初になんとなく「n」がかかってしまうと、それは明らかに鼻に息を抜きすぎた鼻声。
他にも、舌の動きが悪いと、鼻が実際には何にも関わってなくても「鼻声になってる!」と言われたりします。


そんな感じで、「鼻」がどうにかしたように見えたから「鼻声」であると言えるわけでもないし、「鼻声」だと思ったから「鼻」に問題があると言えるわけでもないし、なかなか難しいところです。
どうも私達の悪い癖として、「鼻声」とか「喉声」とか一言で名前をつけてしまうと、それに囚われて実態が見えなくなったり思考停止してしまったりしがちなので、気をつけなきゃならないなあ…と思う所存でした。