「声量」に関するコメントに返信。


さて、新年早々

貴方はこのブログで声量はマイクがあればほぼ関係ないみたいに書いた事がありますね?
経験者の方が「オペラ座でマイク無しで歌いきれるほどの声量は要りませんが、私の経験的には、少なくともバスケットコート1面取れるくらいの体育館か講堂で、歌い手聞き手が互いに対角線上に位置して、その歌声が聞き手に十分伝わるくらいの声量は必要ですね。もちろん、マイク無しの生声で…ですよ。」
とネット上に書き込んでいるのを見たのですが・・・
貴方の言っている事とどっちが正しいのでしょうか

というコメントが来たので、それにガチでお答えすると少々長くなってしまうので、1エントリに。
コメントありがとうございましたー。
(コメントの元の記事はhttp://okwave.jp/qa/q3421766.htmlですね。こういうのは「話の流れ」というものが非常に大事だったりするので、全文を見られるリンクを紹介してくれると嬉しいです。)


どちらが正しいか、と言われると


とりあえず、「マイク使って歌うときは、声量はそんなになくてもいい」という私の考えに対し、「たとえマイクを通すにしても、常にある程度大きな声量がないといけない」「マイクを通して歌う場合は、必ず大きな音量が必要となる」という反論(?)ですね。
反例を一つ。
歌番組で、徳永英明中居正広に歌唱指導をする…という場面の一コマです。
まりもの気分〜時々中居くん〜: 20年眠った原石発見

中居君「でも高い声の時は、おっきな声を出さなくちゃ出ないんじゃないんですか?」
徳永さん「違います。大きな声を出さなくていいんです。
      マイクがあればOKなんですよ。声を拾ってくれるんですよ。
      ちょっとマイク貸してもらっていいですか?」
『時代』の唄い出しの部分を小さな声で、マイクありとなしで比較してみせ「これでも音は出ますから」と説明。


徳永さん「声を出さなくて、つぶやくように」

…動画で残ってないのが残念なんですが、マイクなしの部分はテレビ視聴した感じだとほぼ無音〜ささやき声状態でした。歌用のマイクと、スタジオの会話撮り用のマイクが見えてましたが、会話撮り用のマイクにはほとんど音が入らないくらい。


と、いうわけで、歌をマイクありで歌う場合、声量がなくったっていいんだよ、「ということがある」のはおわかりいただけたでしょうか。


別に矛盾した話じゃなくて


声量「も」大事、という話なんだと思います。
上のリンクの回答の〆ですが、

「マイクで声を大きくするにも、そこそこの声量が無いとダメ」
ということがありますので、やっぱり声量は結構重要ですねぇ。

…「ということがある」んです。
つまり、そうでないこともあって、戦略次第なんです。


たとえ声量が無くても、その声の「生かし方」がわかってればなんとかなる、という歌い方をしている徳永英明みたいな人もいるし、「声量がないからイコール下手!」ということにはならないですね、ということ。


だから、「声量が無いように聞こえた」=「歌が下手!」って思考回路は単純すぎるし、それで誰かを全否定気味に批判するのは非常に酷い話だと思っていますので、あのエントリはやや荒ぶった口調、荒ぶった内容になっています。
まして、マイク通した声量ってのは本当に色々な要素に左右されがちなので、歌手がどうにか出来る部分もあるけど、どうしようもない部分も結構多くて、それで「声量が無い!」とか言われてるのを見るのはとても嫌だなあ、と。
あのエントリを書く動機になったあの動画の決勝戦(声量なくて下手、みたいなコメントがたくさんついていたやつね)なんか、モニターはじめPAまわりがうまくいってないときに起こりがちな症状が色々出てたので、そういう疑惑もあり、もしそういう状態なら声量なんて出せるわけもないですしね。
(まあ、そうで無かった可能性もありますし、演奏の出来とか歌手の評価についてはあのエントリの通り、なんとも言えない感じ。)


プロ中のプロと呼べるような人たちでも、環境がうまくいってないと音程外したり声量出せなかったりってことはありがちですし。
向谷実氏の2012年紅白歌合戦実況とその感想と - Togetter


もちろん、声量は「あればあったほうが便利」なものは確かです。
歌い手にとっても、PAまわりの人にもね。
そして、「声量が足りないと不可能な表現」というものは確実にありますし、声量が少ないと色々な「制約」も多くなってきますし、そういう意味では上のリンクの回答は非常に正しいでしょう。
出会ったプロの人が驚く程の大きな声量で歌っていたことも、おそらく事実でしょう。
だから、どちらが正しい、って話じゃないと思います。