今日のヨタ話、ファッションも気にしようぜ。

サッカー話、漫画話と続いたので、もう一個くらい脱線しとこうと思いまして。

ダサい


「合唱部員の私服がダサい」みたいな鉄板あるあるネタを少し前にひさびさに見かけて、元合唱部員的には「おおむねその通りだけど、もっと言い方とかあるだろ!」と思いました。
まあ、文化系の部活、だけでなくあらゆる部活で「私服がダサい」ネタは鉄板なんですけどねー。


そんなことを思いながら周囲で音楽やってる人を見ると、私風情がオシャレ扱いされてしまうレベルでファッションに限りなく興味が無い層が多くて、もったいないなあと感じております。
音楽やる人がファッションのことを気にする利点ってのはたくさんあって、「関係ない」とか「機能がよければいい」とか「ファッションなんて気にしなくても俺はありのままで素晴らしい」とか「どうせイケメンに限るんでしょ」とかなっちゃうのは非常にもったいないなーと思います。


じゃあそれはなんでよ、という理由を列挙してみる。


気分が変わることで声も変わるから


なんでかというと、まず、ファッションを変えると大きく気分が変わって、声が大きく変わることがあるから。
声という楽器はメンタルに非常に強い影響を受けやすいので、ファッションから入るのも少し効果があったりする。


「やりたい歌」や「出したい声」のイメージに合った服を選んでみることで、一層強くやりたい表現ができるようにしたり。
また、「やりたい歌」や「出したい声」ってのはどうしても曖昧になったり言語化が難しかったりするので、それをなんとか色々なモノに喩えてイメージ化することが多いんだけど、そのイメージ化の一つとして「ファッションで言ったらこんな感じの」という表現語彙を持っておくと色々捗る。


他にも、いざというときにとっておきのファッションを使って、「意識を日常から切り離して音楽に没頭するためのスイッチ」として使うとかね。
気分の切り替えや、過度の緊張の防止などに。
ファションには、「仮面を被る」効果もあったりするので。
逆に、日常と音楽を結びつけるために、敢えて「いつも通りの格好」で本番に臨む場合もある。


この辺はプロもやってる。
プロだからやってる、とも言う。
上手になるための秘訣とは:永井千佳の音楽ブログ:ITmedia オルタナティブ・ブログ


なんだかんだで見た目が大事なので


「音楽が良ければ、見た目なんてどうでもいい」
…これを言えるレベルで圧倒的なパフォーマンスとかやってみたいけど、そんなこと言えるレベルの人ってどんだけいるかって話ですよねえ。


「美的感覚」というものは、そう変わらないから


「美的感覚」というか「審美眼」ってやつは、ジャンルによって別々な部分も大変多いんだけれども、基本的な部分ってのは同じだと思うんですよね。


例えば、「緊張と解放」だとか「反復と変化」だとか「全体の統一感と、適度なハズシ」だとかいう概念。
これ、音楽では(特に曲の展開を考える上で)ものすごく大事なことですが、ファッションでも大事ですね。
全部フォルテッシモの音楽は(よっぽどコンセプトが斬新じゃないと)ダサいし、一音ごとにコードがカオスになる音楽とか(現音では無くはないが)聞いてられない。
そういった「美」を音楽では理解しているはずの人が、例えば「オタクファッションあるある」でよく言われるような「全身(工夫のない)黒」とか「なんかやたらとダボダボ」とか「各アイテムの属性がバラバラすぎて方向性が行方不明」とかいう服を着て、何の疑問を持たないのか?という話です。


もちろん、音楽に全意識を集中していてファッションなんて考えたこともない、っていうタイプもいるんだけど、「音楽が良ければ、見た目なんてどうでもいい」ってそんなこと言えるレベルの人ってどんだけいるかって話ですよねえ。


他にもね、「流行と定番のバランス感」とか音楽でもファッションでも大事なんだけど、「ファッションなんて流行を追うだけの刹那的で無意味なものなんでしょ!?」って思っちゃったりとか。
そりゃ全くファッションを理解してないし、実は音楽も理解してない。


他にも「TPOに合わせた選曲・組み立て・細部の処理」って音楽じゃ大事にして当たり前なんだけど、それをファッションでは全く気にしないとかね。
ズボンの裾の長さを一顧だにしたことのない人間が、フレーズの終わり方を云々できるのか、とか。


この辺の「美的感覚」ってやつは、音楽とファッションだけでなく、あらゆる美(例えば「料理」だの「勝負事」だの)に共通することだと思うな。
村上龍の「文体とパスの精度」という本があるが、要するにそういうことだろう。

文体とパスの精度 (集英社文庫)

文体とパスの精度 (集英社文庫)


自分という人間を再理解するために


音楽もファッションも、「何を歌うか・着るか」「どう歌うか・着るか」という以上に「誰が歌うか・着るか」ってのが重要なんですよ。
で、その「自分とはいったい誰なのか」という問いを「音楽だけ」から考えるんじゃ色々と偏ってしまいがちなので、様々な観点から自分を見返す必要があるのですが、その重要な視点の一つとして「ファッション」があるわけです。


音楽とファッションは切っても切れない関係にあるから


「○○オタクにファッションを教えこんだら、むしろファッションオタク地獄に突き進んでいった」という話はよく聞きますが、音楽オタクになる以上はファッションオタクになる素養もありです。
アーティストに惚れ込むとか、音楽評論の文脈から「ファッション魔道」にハマっていく人は本当に多いですからね。


音楽とファッションって切っても切れない関係にあって、相互に影響を及ぼしあってきたカルチャーなので、どちらかに大きな変化があったときには、必ずもう片方にも大きな変化が訪れたりしてきたわけです。
その辺をちょっと知ると本当に楽しい。


まとめ


特にオチない。
とりあえず、「音楽好きは、そういう理由で、ファッションにも気を使い出すと人生が二倍楽しくなるよ!」とだけ言っておく。


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ファッションに興味を持って、入門書を読んでみた話。 - 烏は歌う