心の天秤の話。


先週の記事が割と好評だったので、なんとなく今週もモバマスアニメ関連で何か書かないといけないような謎の義務感で書いてみるエントリー。
考察じゃないぞ、感想だぞ、というか自分語りの一種だぞ。
まあ色々と余計な一言を語りたくなるのも、いい作品の特徴だよね。


教科書通りの内容ではないので、「メンタル」タグはつけようか迷ったけど一応つけないでおく。


心の天秤の話


モチベーションってのは単純じゃないからモデル化して考えるのは非常に難しいんだけど、敢えてモデル化して考えるときには、「天秤」をイメージすることが多い。


「やりたい皿」と「やりたくない皿」があって、その双方にあらゆる「理由」が載せられていく。
で、そのバランス、傾き具合によって「モチベーション」のあるなしが行動や態度として現れてくる。
そんな感じ。



皿の上には何がどのように載るか


ポジティブな理由が「やりたい皿」に、ネガティブな理由が「やりたくない皿」に載っていく…とは限らない。


例えば「成功体験」が、「もう一度やりたい!」という理由になって「やりたい皿」に載ることもあれば、「もう満足した!お腹いっぱい!」という理由で「やりたくない皿」に載ることもあるし。
逆に、「失敗体験」が「もう一度やらせろ!」になったり、「もう二度とやらせるな!」になったりする。


また、例えば「責任感」なんかは、よく働けば自分を動かす理由になるけど、上手く行かなくなると重荷になって動けなくなる原因にもなるし。
他人からの「賞賛」や「叱責」も、それがどっちの皿に載ってしまうかによって、同じ言葉であっても人や時や場合によって効果が正反対になってしまうことがよくある。


一つの経験や感情が、片一方にだけ載るとも限らない。
あらゆる事象にはポジティブな面もネガティブな面も必ずあるので、むしろ必ず両方の皿に同時に幾らかの重みがかかるものかと思う。
その重さのバランスで「モチベーションが上がる」か「落ちる」かが決まってくる。


皿の上での動き


また、皿の上に載ったものが一度載ったら不変なものかと言えば、そんなことはない。


その時の気分や、後からの経験によって、皿の上に載っていた「理由」というものは、簡単に消えてしまったり、突然重みを増したり、逆側の皿にいつの間にやら移動していることも多々ある。


基本的には「外発的モチベーション」や「一時的な体験・感情など」は移ろいやすく、「内発的モチベーション」や「継続的な体験・感情など」は移ろいにくいとされる。
そうなりやすい、というだけで、必ずしもそうであるとは限らない。


この辺に関する過去記事。
モチベーションを下げる罠、「アンダーマイニング効果」にご注意。 - 烏は歌う


また、この「心の天秤」には、短期的には「偏っている方に加速度的に重みが集中しやすい」という傾向があるし、長期的には「バランスを取るように、傾き過ぎないように重みが移動する」傾向があるように思う。
いわゆる「ノッている」状態の時には、短期的には「何が起きても、それをモチベーションに変えていける状態」になっているけれど、それは永遠に続くものではなく、いつの間にやら「やりたい皿」の中身が空っぽになってしまったり、「やりたくない皿」に「飽き」だとか「(悪い意味での)満足感」とか言う失敗の種が積み上がって行ったりする。
逆にスランプ状態も、短期的には「何を見聞きしてもモチベーションが落ちる状態」だけど、いつまでも続くものではない。


あの時君は若かった


「心の天秤」は、おおむね若いほど極端な動きをするし、歳を取るほどゆっくりな動きになるものと言われている。
若い内は、天秤の皿の上が比較的「何もない」状態だから、ちょっとした出来事が片側に載っただけでさえ傾きが大きく変わっちゃうんだよね。
そういった若者特有の極端から極端へ走っちゃう感じは、当人や利害関係者にとっては実に迷惑千万な話だけど、年寄りからみると実に微笑ましく、愛おしいものである。


モチベーションを正しい方向に向けるのは難しい


この「心の天秤」が著しくバランスを欠いてしまったとき、それを元に戻すのは非常に困難なことである。


ある経験、ある言葉、ある想いが、その人のどちらの皿に載るかなんて、やってみないとわからんからね。
「やりたい皿」に想いを載せてやろうとしたつもりが、「やりたくない皿」に載っかって自体が悪化したりとか、「やりたい皿」に元々載っていた大切なものを押しのけてしまったりとか、よくある。
「やりたくない皿」に載っているものを取り除いてやろうとした結果、「やりたい皿」に載っていた大切なものを失わせてしまったりとか、その感情はネガティブでモチベーションを下げるものだが「心のバランス」を取るために必須のものであった、ってこともよくある。


なので、こういう問題を解決したいときには、
「どちらの皿に、どんなものが、どのくらいの重みを持って存在しているのか」
というのを考えて動かなくちゃいけない。
そして、本当に慎重に、しかし時には大胆に行動せねばならない。
自分のことでも、他人のことでも。


シンデレラガールズ7話の話


で、アニメの話。
ニュージェネレーションズの三人が三者三様で面白かったね、というのが各所で語られてますね。


三人全員が、「前回の成功体験を吹き飛ばす形での失敗体験」を味わったとき。
未央は、「責任感」だとか「希望」だとか、今まで持っていた感情が瞬間的に全部「やりたくない皿」の方に載ってしまった。
で、即クラッシュ。
凛は、そこまで劇的な反応は起きなかったけど、成功体験を失い、さらには一時的に「ひとりぼっち」になってしまったせいで、どっちの皿にも何も載っていない第一話の「空虚」な状態に戻ってしまった。
最初はプロデューサーへの怒りとかで動くんだけど、それが冷めてくると、完全に迷子状態。


二人の心理状態は、似ているようで全然違うから、必要な対処も全然違った。
未央の場合は、「責任感」が暴走して「やりたくない皿」に張り付いてたような状態だから、「みんな待ってる」→「責任を果たせ」と言っても重荷になるだけだし、「あなた一人の問題ではない」→「責任なんて忘れてしまえ」と言われても、それで重荷がなくなるんなら苦労なんてないわけで、責任感の強い子はだいたい「そんなこと言わせてしまった」ことに腹が立って余計に悪化することも多々。
そこで、「ライブの成功していた部分」をわからせることで、なんとか「責任感」を正しい方向に向かわせることができた、というお話ではないかと。
凛が失い、取り戻さなきゃならなかったものは「このPに任せれば、きっと夢中になれる何かと出会える」という確信
それを「一皮剥けた」プロデューサーと再開し、さらに未央(仲間)という+αを得て、さらにはきっと自分の中から生まれるモチベーションを得て、手をつなぐシーンにはおじさん感動しました。


そんな中、卯月だけが、失敗を失敗として受け止め、その重さを「もう一度三人でステージに立ちたい、アイドル続けていきたい」という「やりたい皿」の上に載せることができていたんだよね。
これができた理由は、一人だけずっと養成所で努力を重ねてきたからという説もあるし、これまで描写された島村家の特別な暖かさのおかげかもしれない。
一部の感想では「物事のポジティブな面しか見えない体質なのではないか」「鈍感過ぎて怖い」「ガンバリマスロボ」などという意見も目にしたりしたのだけれど、決してそんなことはないとは思う。
卯月の中の天秤も激しく揺れたであろうことは間違いないけど、他のメンバーに比べたら両側の皿に既に色々載っていたから、一度の失敗で天秤が壊れてしまうような極端な振れ方はしなかった。
で、少し時間を置いたところで、今回は自ら自分の中の天秤を正しい方向に傾けることができましたよ、と。
リアリティが無いくらいメンタルが強いわけではなく、まわりより「ちょっとだけ大人」なだけなんじゃないか、と私は見てました。
年頃の集団を見ているとね、なんでかはわからないけど、こういう役割に立っちゃう子って必ず出てくる。
こういう子はこういう子で特別なケアが必要(爆発的にダメになることは無い分、一度凹むと引き上げが困難で静かにいつの間にか沈んでいく傾向)なので、また今後の展開が心配であり楽しみでもあり。


プロデューサーの方はまさに、長年の経験から皿に色々と載りすぎてしまっていて、それが未央をきっかけに一気にバランスを失ってしまった形。
経験を多く積んだ人間ほど、天秤の傾きは安定しがちな分、一度バランスが崩れてしまうと立て直しが非常に難しい。
5話の時点でそれまで安定していたプロデューサーの心の天秤が良くも悪くも揺さぶられだして、それが未央をきっかけに最悪の傾き方をしてしまった。
そして、過去の失敗経験や「社会人」「統括プロデューサー」としての責務といった非常に重いものが全部ダメな方の皿に雪崩れ込んで来てしまい、傾斜復元なんてできるのかよという状態。
原因や年季の入り方は違うけれど、この時の未央はプロデューサーの、プロデューサーは未央の鏡だったんじゃないかなー、と後々になって思うようになってきました。


そんな状態を救った卯月の前向きさ、笑顔は本当に「尊い」ですね(最近このネットスラング流行ってますね)。
そして、その「笑顔」というものは、他のだれでもなくプロデューサー自身が見出したものである、というのもまた良い。
単に「しまむーのバブみに救われました」って話じゃなく、パワーを貰うのと同時に「自分の人選は決して間違っていなかった」という確信を持てたんじゃないですかね、あそこで。
そして、だから、走り出せた。
あのシーンは本当に良かった、思わず「がんばれ!」って声に出して言いそうになったもの。
心の天秤が正しい方向に傾くその瞬間、それは本当に美しいものです。


余談


たぶんアニメやモバマス関係の記事を書くことはたぶんしばらくないだろうからここでダイマしておくと、当ブログはモバマスアイドルの中では「黒川千秋」を応援しております。
たぶんアニメには出てこないけどな!


なんとなく暇つぶしにソシャゲでもはじめようと思った数年前、適当に人の多そうなモバマスをはじめ、最初は楓さんとか聖來さんとかのPになろうかと思ってたんですよね(昔からなんとなくショートカット好き)。
しかし、北海道出身で(道民は道民ってだけで概ね好感度上がる傾向あり)、歌に関してものすごくストイックで、少し人を寄せ付けないような雰囲気もあって…ってところになんとなく自分と通じるところを感じて、応援しなきゃならないような気分になって。
いつの間にか黒川担当Pになってましたわ。
あと、初期組な割にはSR化が遅く、待たされて待たされてのSRがね、良かった。
色々あってからの、特訓後SRのプロフィールのセリフ、あれはなかなか泣けるぞ。


と、言うわけで、新規プロデューサー諸君、黒川千秋、黒川千秋をプロデュースするのです…!
17コスSRの「黒真珠の輝き」は、ちょっと型遅れ感もあるけどまだまだ無課金微課金なら主力にできるステータスだし、型遅れ故にお求めやすいレートで取引されてる。
なにより特訓後の絵柄が華やかかつ上品なのでフロントに置き甲斐があるぞ!心が気高くなるぞ!
あと13コスSRの「白銀の騎士」、これも攻撃とコストの比が良好なので、フェス等のバクメンとして末永く活躍できそう。
なんか完走SRとしては微妙に高いんだけど誤差の範囲内ではあるし、値下がりする要素はないので買って損は無いかと。


そして既存Pの皆様、黒川さんのRはコレクターズ・アイテムとしてお勧めですよ!
なかなかSRだけではキャラがわかりにくい分があるので、Rで色々と補完したり、Nのトゲトゲしたころと切り替えてニヤニヤするのも楽しいですよ!
あと、「気高きプライド」のトレード価格でわかるように、一定の需要はありつつも登場間隔が長かったりカード排出量が一部少なかったりで希少価値が上がりやすいような気がするので、持っておくと思わぬ安定資産になる可能性もなきにしもあらず。


運営は早く「気高きプライド」復刻してください。