そのパート割りで、「チーム」は作れているか。


合唱のパート割りに関わる色々を思い出しながら書くエントリーその2。


パートの持つ役割


合唱のパートってのは、ただ「声の高さ」だけ見て分ければいいってものではないんですよね。
もちろん、「声の高さ」ってのが最も重要な判断基準ではあるんだけど。


やっぱり各パートごとにそれなりに「役割」「特徴」があるので、そこも考えていかないといけない。


例えば、高声は「メロディー」を歌うことが多いので、高声パートはメロディーの処理が上手い人がある程度そろってないと、全体が「あっさりしすぎ」とか「ぎこちない」感じになってしまいがちとか。
低声はハーモニーを支えるベース・ラインを歌うことが多いので、リズム感や絶対的な音感がないと難しいし、強い声量やら埋もれない声質やらもないと上パートが非常に歌いにくい。
内声は、ハーモニーの中で動くことが多いのでまわりを聞いて音程や声質を微調整する能力が必要だし、普段は目立ち過ぎないことも重要なんだけど、たまにある美味しい動きでは一瞬だけ目立ちまくることも必要だったりする。


そして、「合唱」の場合は、複数人で一パートを形成することがほとんどなので、一人で全部の役割をこなしきる必要はないんです。
上手いこと得意な部分を分担できれば、やっている方は歌うのがすごく楽になるし、出来上がる音楽は良い物になっていく。
パート割りを考える側は、そういう良いコンビネーションが形成されるよう注意しながらパート割りを考えていかないといけない。


ただ「声の高さ」だけ考えてパート割りをしちゃうと、どうしても「このパートにはこういう役割をしてほしいんだけれども、それをこなせる人がいない」とか、「パート内で個性がぶつかりあって、潰し合ってしまっている」とか、そういう問題が出てきやすい。
して欲しい役割をこなせる人がパートにいないなら、その役割ができるよう育てるか、できる人を他からコンバートして持ってくるか、合唱団としてそのパートに求める役割自体を変える必要がある。


その合唱団が各パートに求める役割って?という話


各パートに求められる役割、ってのは、合唱団によってけっこう違うものです。
価値観の違いとか、歌う曲のレパートリーの違いとかによる。


例えば、古い定番「愛唱歌」系ばっかり歌うような合唱団だと、
「とにかく高声はメロディーをそれっぽく歌えればいい!」
「内声は目立たないように、正確にハモってくれればいい!」
「低声は気持よく低音を鳴らしてれば良い!」
「それに合わせて各パートにスペシャリストをそのまんま配置!」
…みたいなごくごくシンプルな感じの方が上手く行きます。
一方、テクニカルな現代曲とかをやっていこうとするなら、主旋律の受け渡しや副旋律との対比、難解で複雑なハーモニー構成とかが要求されますので、全パートがメロディーもハーモニーもベースラインもある程度こなせないとキツイ。
ジェネラリストだけを集めた合唱団や、指導に絶対の自信があるところは特に配置に悩むことはないだろうけど、普通の団だと「スペシャリストをどう分散配置させるか」「どのように人材交流させるか」あたりが課題になりますね。


他にも、自分がテノールとベースを行ったり来たりしてきた経験から感じるのは…
・混声テノールを、「男の高声」として考えるのか、「内声の低声」として考えるのか
・メロディーの「高音」をどのような発声でこなして欲しいのか
の違いによって、テノールに求められる人材って全然違うよね、って話。


私は「高音はそこそこ出るけれど、いわゆる『高音を張って出す』発声はやや苦手」という感じなんです。
高校の頃はファルセットを多用していたし、最近でもかなり軽めのミドルボイスが自分なりの高音の魅力かなーと思っている。
だから、「テノールはアルトと上手く混ざって、男女の橋渡し役をしてくれ」っていう役割を期待されればそのようにやるのは得意だけど、「テノールは雄々しく、女声パートとは一線を画する響きで!」っていう役割を期待されるとそれは苦手なので、ならバリトンやるかなーって思う。


また、テノールの最高音にあたるG4、A4あたりを「軽やかなミドルボイスで出して欲しい」という役割を期待されると得意だし、「強く引っ張って出して欲しい」という役割は持てません。
あと、曲によってもけっこう高音の処理に得手不得手があって、例えば多田武彦はじめ古めの男声定番曲って、G4、A4の前後に「ちょっとした音の跳躍」があることが多くて、そこで自然と軽く裏返らせるから、私のようなタイプにはすごく歌いやすいんですよ。
逆に、信長貴富とかの曲ってG4、A4の前後に「グリッサンド気味な音の上下」「さらに最高音に向けてクレッシェンド」みたいな動きが多くて、いかにも「引っ張れるだけ引っ張って出せ!」という指示を感じることが多いんだけれども、そういう曲でトップテノールやるのは私には向いてない。


「うちの合唱団では、それぞれのパートにどのような役割を求めているのか?」というのは、よくよく考えてみないと、「やりたい合唱と、パートの個性が真逆になってしまっている」とか、「やりたいことがはっきりしていないから、それぞれのパートも何をどうやったらいいかわからない」みたいな感じで失敗しやすい。


脱線


最近サブブログを再開したのですが、ご覧の通り「WinningEleven2015」のマイクラブ基本無料版ばっかりやってるんですよね。
鳥頭の三歩で忘れるゲームログ。
ここ数日は艦これもやってるけど。


で、そのウイイレでもこの記事で書いているような「単に適正ポジションに選手を置いておけばいいってわけじゃなくて、役割の整理とか、チームコンセプトとの合致とか考えないと全然チームにならない!」ってところで苦労してます。
FWはそこそこ豪華で数も揃っているのに、みんな特徴が「ラインブレイカー」なせいでライン低い相手に何にもできないとか、パサータイプがなかなか来なかったせいでラインの裏とったはいいけどそこにボールが来ねえ!とか、ラインブレイカー同士で2トップ組むと動きがかぶりまくってしんどいとか。
監督を「ショートパス志向」にしないと、前線にエアバトラーがいないので攻撃の成功率が落ちまくりになるとか。


合唱の「パート割り」、というか「チームビルディング」の話をするときには、こういうサッカー小ネタを交えて話すとわかりやすいかなーと思ったり思わなかったりするのだけれど、身近にサッカー話が通じる合唱の人がいなくて辛い。